2008年4月17日 (木)

シンビオシティ

スウェーデン大使館主催のイベントに参加してきた。テーマは「持続可能な都市の発展」で、スピーカーのおよそ半分はスウェーデンから来日した人々で、スウェーデンの首相や環境大臣のスピーチも聞くことができた。環境問題への取り組みという点では、スウェーデンは世界の最先端を行くと言われている。2005年には、前首相が「スウェーデンは2020 年までに石油不要のシステムをつくる」と宣言し、その政策を現首相も引き継いでいるそうだ。

1970年代の石油ショックを契機に、日本もスウェーデンも脱石油を試み、バイオマスなどの再生可能エネルギーの活用に取り組み始めた。ただし、その後で石油価格が下落すると、ふたたび日本は石油を使うようになり、バイオマス活用はいっきに下火となった。いっぽうスウェーデンは、石油価格が安くなっても、一貫してバイオマス活用に取り組んできた。その結果、現在では1次エネルギーの約2割をバイオマスでまかなうまでになった。日本は近視眼的で、スウェーデンはしっかりと先のことを考えていたと言えるだろう。

ちなみに京都議定書の温室効果ガスの削減目標では、スウェーデンは4%の増加が認められていたが、2006年までに9%削減した。削減余地があるなら、もっと高い削減目標を設定しても良さそうなものである。しかし「これまでに多くの削減してきたのだから、そのぶん排出枠を認めるべき」という主張があったのだろうか。いずれにしても、したたかな国際交渉力である。目標を超過した分については、排出量取引で他国に売ることができる。

さて、今日のイベントで多用された言葉のひとつが「シンビオシティ(Symbiocity)」。新しいビオシティではなくて、いろんな要素をシンクロナイズ(同調)させる都市環境整備のことである。例えばストックホルム郊外の「ハマルビー・ショースタッド」という再開発の事例が紹介されていた。前々から気になっていた取り組みである。

もともとは工業地帯や港湾として使われていた200haのブラウンフィールド(汚染された土地)。1991年に再開発計画を策定し、1995年から土壌処理や造成を開始。1996からはLRT(路面電車)の工事を開始。その後、入居が始まり、現在までに居住人口が1万人を超えている。

シンビオシティとしてのハマルビー・ショースタッドの大きな特徴が、有機物の循環システムである。家庭からの廃棄物は、すべてエネルギー利用と同調するようデザインされている。可燃ごみは焼却場で燃やされて、発電される。生ごみはバイオガスに変えられて、ガスとして供給される。下水は下水処理場で熱処理されるが、そのときに発生する熱でお湯をつくり、住宅地内に供給される。下水から分離された汚泥は、農業で使われる。

また計画地内には、オフィスや商業施設、学校など多様な施設が配置され、明確なゾーニング区分は設けられていない。この点でも「シン」である。

しかし今日のイベント、休憩、パネルディスカッションを含めて3時間ほど。そこで約10人のスピーカーが登場した。1人当たりの時間が短いから、かなり言葉が端折られる。おまけに同時通訳が入る。そのために分かりにくさがあったのは事実である。シン(同調)させようとするものが多くなると、かえってシンとはならない。

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2007年1月13日 (土)

目標より先を狙う

ヨーロッパの中ではスウェーデン人は「北欧の日本人、清潔、効率的、従順」だと言われているらしい。しかし当事者であるスウェーデン人に言わせると、たしかに清潔で効率的かもしれないが、決して従順ではないという。調和や合意を重んじるために、従順に見えるだけだという。その一方で未来を志向する傾向が強く、「Framf rh llning(目標より先を狙う)」ことに大きな価値を置いているという。

だから、いち早く環境問題にも取り組んできた。例えば化石燃料消費を抑制するための炭素税を1991年に、フィンランドに次いで世界で2番目に導入した。そして2002年には、政府の公式見解として、温室効果ガス削減の長期目標を世界で始めて発表した。スウェーデン環境保護庁による発表であるが、2050年までに、世界の工業先進国での二酸化炭素及び他の温室効果ガスの一人当たり排出量を4.5トン(二酸化炭素換算)とし、その後随時減少させていくというものである。ちなみに現在の日本の1人当たりの排出量は10トン弱である(二酸化炭素換算)。

いっぽう日本はどうだろう。環境税を導入すべきという意見はあるけれども、現状の政治体制のままだと、導入はかなり先になりそうな気配である。また温室効果ガスの長期目標については、スウェーデンに次いでイギリス、フランス、ドイツが相次いで発表したが、いまのところ日本では調査研究段階に留まっている。環境省の「脱温暖化2050プロジェクト」という取り組みはあるが、まだ政策レベルのものとはなっていない。

ものごとは計画通りに進まないことの方が多い。だから目標を達成しようとするなら、目標よりさらに先のことを思い描くことも必要となるのだろう。Framf rh llning(目標より先を狙う)。北欧の日本人であるスウェーデン人から学ぶべきことである。

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2007年1月12日 (金)

ペレット、ペレット

森から木を伐りだして、建材や家具などにする過程で、かなりの量の端材や製材クズが発生する。それを小さな固まりに成形したものが木質ペレットという燃料である(ちょうどドッグフードのような感じ)。手頃な大きさ、高い燃焼効率などの点で、薪よりずっと扱いやすい。だからペレットは北欧では広く普及している。

少し前から日本でも森林資源をもっと有効に活用しようという機運が高まってきた。そして、なかでも木質ペレットは大きな期待が寄せられているようである。ペレットは扱いやすい。石油やガスヒーターに替わり、ペレットストーブにを使おう。部屋の中で木が燃える炎があれば、気温が上がれば、雰囲気も暖かく、ロマンチックになる。

そんなわけでスウェーデン滞在中にペレットストーブにお目にかかれるのを楽しみにしていた。しかし、どこに行っても殆ど使われていない。「どこかでペレットストーブはないですか。どこかでペレットを使っていませんか・・・・」。あまりにシツコク言うので、見かねた地元の人が、ついにペレットのユーザーを紹介してくれた。ヴェクショー市郊外の一軒家である。

21_1しかし、その家でもペレットストーブは使っていない。セントラルヒーティングの燃料としてペレットを使っているのである。写真は住宅の外に設置されたペレットの投入口であり、ここから地下の貯蔵庫にペレットが送られる。ペレットでお湯を沸かし、輻射方式のセントラルヒーティングシステムの中を循環させる。住宅の断熱がしっかりしていれば、ストーブなどは必要ない。

そもそも燃焼効率あるいは発電効率を考慮すると、ボイラーの規模は一定以上の規模があることが望ましい。だから前日ブログに書いたように、例えば地域エネルギー会社をつくり、大量の燃料まとめて燃やしてコージェネレーション(電熱併給)によって街に電気や熱を供給する方が、トータルとしてのエネルギー効率はずっと上がる。その場合は、わざわざ成形されたペレットを使う必要はなく、チップで十分である。かくして木質バイオマスの利用が進むと、ペレットは選択肢のほんの一部に過ぎなくなってしまう。だから僕たち日本人のように「ペレット、ペレット」と言わなくなる。ちなみにスウェーデンでは生ごみから堆肥をつくるときの調整剤としても木質ペレットが使われていた。

ペレット、ペレット。木質バイオマス利用という点では、日本はまだヒヨッコなのだろう。

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2007年1月11日 (木)

化石燃料ゼロ宣言

スウェーデン南東部の森林地帯にあるヴェクショー市。人口が約7万5千人、世界的な家具メーカーのイケア、ボルボなどの工場が立地するなど、林業と工業の盛んな都市である。このヴェクショー市では、1996年に化石燃料に利用からの脱却を目指すことを宣言した(Fossil Fuel Free Växjö)。二酸化炭素の排出量を1993年から比較すると、2005年までに24%が減少し、2010年までには半減レベルにまで落とすことが目標となっている。その先には化石燃料の消費をゼロにすることを目指すという。

化石燃料消費を大幅に削減するための中心的取り組みのひとつが木質バイオマスの活用である。林業が盛んなヴェクショーでは森林を伐採、製材し、製品に加工する過程で、たくさんの副産物が発生する。例えば、木で家や家具をつくる場合、最終的に使われる木質部の容積は、もとの木の3割程度に過ぎない。しかし端材や製材クズを適切に収集し、燃やせばエネルギーを得ることができる。捨てるのではなく、エネルギー源として使う。森林バイオマスの総合利用である。

21_2ヴェクショー市では、Växjö Energi ABという地域エネルギー会社(写真)において、地域内から収集された林業残渣を燃料としたコージェネーションを行い、市内に電気と熱を供給している。市内の電力の半分程度、熱供給の7割は同社が供給しているという。

化石燃料ゼロ宣言を行うに当たっては約2年間の準備期間があり、市民や関係団体を巻き込んだ情報交換会など各種行事が進められてきた。そして住民にとっての最大のリスクが地球温暖化であるという認識のもと、作業員会から「化石燃料ゼロ」という提案がなされた。しかし、あまりにも非現実的であるという理由で、当初は市職員や議員からは指示されなかったという。そのため企業関係者や研究者を交えたディベートを重ね、その最終回にようやく意見がまとまったという。「化石燃料を消費し続けることの方が非現実的である」と当時の市長は主張したそうだ。ちなみにヴェクショー市への日本からの視察も多く、同市のホームページには日本語の視察案内もある。

大量の化石燃料を使い続けると、気候変動によって地球の生態系に回復不能なダメージが生じるかもしれない。そして、いずれ化石燃料はなくなるだろう。将来に起こるかもしれない現実。その現実に目を向けることが、現実的な行動だといえるだろう。

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2007年1月10日 (水)

ハイスクールの2穴トイレ

ゴットランド島でのエコツアーその5

2tゴットランドでもっとも大きいハイスクールがSäVeskolan Collegeの高等部.その校舎も多くの点で環境対応が計られている。できるだけ多くの自然素材やリユース可能な健全を使うよう試みられた。パッシブソーラーによる自然換気。太陽熱温水器の設置。熱源の9割が再生可能エネルギーで賄われている地域熱供給システムとの接続。そして何と言っても特徴的なのは、2穴トイレの設置。

2穴トイレとは、大便と小便のそれぞれを別々に用足すものであり、この高校で設置されていたのは、洋式タイプ。小便は便器の前の方、大便は後部に落とすものである。食べているものや体質によって屎尿の成分は人それぞれだけど、一般には小便の方が栄養分が多く、肥料として使いやすいと言われている。大便を肥料にするには、嫌気性発酵などの処理を施すことが必要であるが、小便の場合は希釈するだけで肥料として使うことができる。小便の主な成分は尿素、塩化ナトリウムなどで、その他、リンサン、カリウムも含まれている。だから小便と大便を別々に分けることには意味があり、この高校の場合も、小便を肥料として活用することを目的に2穴トイレが設置された。

21しかし残念ながらティーンエイジャーにとって2穴トイレは不人気だそうだ。数多くの人が集まる公共施設での初めての導入であり、2穴トイレの横には通常のトイレも設置されているが、そちらを利用する生徒の方が断然多いという。また2穴トイレでは混入も多いという。小便はさほど集まらず、大便部に小便が流れてゆく・・・・・。ともあれトライアルすることは重要なことであるし、小便と大便の活用可能性を教えるだけでも有意義だと思う。

面倒なこと、格好悪くみえること。それは、なかなか広がりにくいのだろう。計画倒れがあるからこそ、バイオマス資源の有効活用に向け、次のステップへ踏み出すことができる。ちなみに僕はアメリカで一回だけ2穴トイレを使ったことがある。そんなに難しくはない。タイで桶で水を汲みながら尻を手で洗うとことに比べれば、ずっと楽である。

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2007年1月 9日 (火)

ごくらくエコリゾート

ゴットランド島でのエコツアーその4

Su第一線をリタイアしたら、余生を悠々と農的暮らしを送りたい。そう考える人たちは世界中にいるようである。ゴットランド島南部のハムラ地区に農家を購入し、移り住んできたKさんもその一人である。ただしKさんの場合、地元のために一肌脱ごうと、農家を改装してスパの経営に乗り出した。SUDERHÄLSAN.海辺に面した施設のコンセプトは Fitness by the sea year-roud である。

敷地内には美しい海岸があれば、屋外プールもある。大きくて丸い木製のジャパニーズ・バスもある。屋内にも小さなプールがあれば、ジャグジーもある。そして希望すれば各種マッサージも受けることができるし、もちろん美味しい地元料理を食べることもできる。もともと農家であっただけに、建物も大きく各居室にはとても余裕がある。

SfそしてSUDERHÄLSANでは使用するエネルギーの9割を再生可能なエネルギーで賄っている。電力は太陽光発電パネルと風車。おまけに風車は、昔ながらの風車の外観はそのまま残して、内部に発電機を設置したものである。そして木材チップを燃やして熱を得る。雑排水も微生物の力によって浄化されている。貧乏性の人間としては、リゾート施設の贅沢な空間にいると、どうも落ち着かない。何となく「もったいないなぁ・・・」と感じることが少なくない。しかしSUDERHÄLSANでは、地元資源を適切に活用することで、真冬においても、とても快適で豊かな空間をつくっている。だから気兼ねすることなく快適な時間を過ごすことができる。ごくらく気分である。

オーナーのKさんの目指すところは持続可能な事業を開発することだという。そしてKさんの話はとても面白かった。環境問題のことだけではなく、グローバルな政治や経済、そして地域社会のこと。話を聞かせてもらいながら、失礼ながら「きっと、この人はただ者ではない」と感じたので、以前のお仕事を聞いてみた。すると外交官をつとめ、IATA(International Air Transport Association)の会長も歴任したとか。いいものを創ろうとすれば、やはりグローバルなレベルで見聞を広げることは大切だ。世の中はとても広い。

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2007年1月 8日 (月)

天使のグラス

ゴットランド島でのエコツアーその3

11_2世界遺産であるビスビーの旧街区。中世の建物がそのまま残り、事務所や商店、住宅などとして使われている。街のほぼ中央部にあるビスビー・ガラス・スタジオを訪れた。このガラス・スタジオは、いわば「再生可能なガラス工房」である。工房で使われる電力は、すべてグリーン電力で賄われている。ガラス製品の材料になるのは、ビスビーにホテルから集められた壊れたガラスやビンである。バージン・ガラスはまったく使わない。ちょうど炉の横の丸い容器に材料が入っている。

だから、ここでは壊れたビンなどが新たな製品に生まれ変われるプロセスをじかに見ることができる。目の前で、ガラス製品をつくってくれる。いったん役割を終えたガラスが、まさに再生してゆく。職人さんの手よって、新たな生命が吹き込まれてゆく。

00_2このガラス工房で購入したのが天使のグラス。ガラスの死と再生。何となく、天使と関係ありそうな気もする。さて、この天使のグラス。いわゆるグラスの脚の部分が天使になっているので、逆さまでなければ、テーブルの置くことができない。グラスにワインを注ぐと、ずっと手で持っているか、飲みきって置くしかない。だから、返礼の契りを結ぶには、ぴったりのグラスである。ただしヨーロッパには、グラスを返礼しあうという習慣はない

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2007年1月 7日 (日)

エコツアーに現れた妖精たち

ゴットランド島でのエコツアーその2

エコツアーの2日目の朝。宿泊先には馬車がやって来た。幌のない一頭だての馬車、御者は女性で、ガイドも女性のEさん。生物学者Iさんの案内で、ゴットランド島の真冬の景色を眺めながら、そして島の自然の様子を聞きながら、約1時間の馬車ドライブ。とても寒いので、しっかりと防寒対策をして馬車に乗り込んだ。ツアーの参加者は日本人が5名、スウェーデン人2名。

島には5000種以上もの生物が確認されていること。牧場から森へ続く真新しいウサギの足跡について。地元の歴史や農業のこと。そして森に住み、ときには農作業を手伝ってくれるという妖精「トロル」まで。Eさんは自然を中心にゴットランド島のことを非常にわかりやすく説明してくれた。

T1馬車が走り出してから30分余り、Eさんは「座ってばかりだと身体が冷えるから歩きましょう」という。素直に従って、馬車から降りてしばらく歩くと、今度はEさんが「何か臭いませんか」。「たしかに焦げ臭いかな…」と答えてから、彼女の指差す方向を見る。すると何やら怪しい人影。最初は、こちらの方を伺うように木の陰からそっと1人が顔を出す。そして、まもなく2人目も。普通のスウェーデン人と違って、顔も黒っぽいし、奇妙な帽子も被っている。いぶかしそうに彼らを眺めるツアー参加者に対し、Eさんは「彼らはトロルかも。行って見ましょう」と言い出す。

釈然としないまま、低い潅木の茂みに入っていくと、バイキングのような格好をしたトロルが焚き火を囲んでいる。2人は女性で、4人は小さな男の子。全員が毛皮を着て、顔は煤で汚れている。長い尻尾も持っている。そしてトロル語とおぼしき言葉を話し、焚き火で焼いたばかりのスコーンとお茶をしきりに勧めてくる。……なるほど、そういうことか。エコツアーの演出の一部である。

T2状況が飲み込めれば、参加者の方も楽しめる。せわしく動きまわるトロルに驚いた振りをし、とりあえずコミュニケーションを試みる。トロルの尻尾をつかむと、嫌がって手を払われる。最初おとなしかったトロルも、見知らぬ訪問者と遊ぼうと身体ごとぶつかってくる。小さな子供は普段のままでも、じゅうぶんトロルである。しばしの間、寒さを忘れさせてくれた。

ゴットランドはスウェーデン有数の夏のリゾート地である。自然も豊富だけれども、人をもてなす知恵も豊富にある。

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2007年1月 6日 (土)

ぜいたく民泊

ゴットランド島でのエコツアーその1

スウェーデンのゴットランド島。地元NPOが企画する3泊4日のエコツアーに参加した。2泊め以降はホテルでの宿泊だったけれども、1泊めは島南端の民家での宿泊。いわゆる民泊である。泊まったのは築後二百数十年の元・牧師館。ツインの寝室が4部屋、延べ床面積300㎡余り。まさに邸宅。

01_4民泊のホストはS夫妻。第一線をリタイアしたS夫妻は、古い建物を改修して住み、ときどき旅行客を接待するというのが長年の夢だったという。ちょうど物件を探し始めたときに、運よく、この元・牧師館のことを知り、すぐに購入を決めたそうだ。ただし長い間、空き家であったために損傷や汚れが激しかった。そこで覚悟を決めて、S婦人が1年以上をかけて、ほとんど独力で改修した。由緒ある建物は、婦人の現代的センスが加わって、ツーリストのゲストハウスとしては十分すぎるほどの空間に仕上がっている。

猛吹雪のために、到着するのがかなり遅くなった。しかしS夫妻は暖かく迎えてくれた。大きな暖炉のある居間には、婦人手作りの生ハムとラフランスのサラダ。そしてワインも。おまけにS氏は1時間余り歌声も披露してくれた。S氏はプロ歌手で、第一線からは離れた現在もときどき音楽活動を行っているそうである。

とても贅沢な夜を過ごすことができた。心のこもった温かい持てなしほど贅沢なサービスは他にもないのだろう。翌朝には猛吹雪はすっかり上がっていた。

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2007年1月 5日 (金)

世界遺産への地域熱供給

EUにはアイルネット(ISLENET, European Island Network on Energy & Environment)という取り組みがある。エネルギーと環境に関する島嶼間のネットワークのことで、現在、26地区が参加している。いずれの島において持続可能な島づくりのために多面的な取り組みが行われている。

Wfその1つがスウェーデンのゴットランド島。ゴットランド島はバルト海に浮かぶ夏のリゾート地。面積は東京都の約1.5倍、人口が6万人。島の中心となる街は2万人強が住むビスビー。ビスビーは12~14世紀にかけてハンザ同盟の中継基地として栄えた街で、当時の城壁や街並みがいまも残されている。1985年に世界遺産に指定された街区である。

ゴットランド島では再生可能エネルギーの推進に向けて、いろいろなプロジェクトが行われている。ウィンドファーム(過半が市民風車)、生活排水の微生物による浄化、畜産廃棄物によるバイオガスシステム、小規模水力発電、菜種油の自動車での利用。環境先進国と言われるスウェーデンのなかでも、さらに先進的である。

Gt_1世界遺産となった街区も例外ではない。僕が訪れたときも、配管工事が行われていたが、すでに地域暖房のエネルギーのほとんどが再生可能エネルギーで賄われているそうだ。木質バイオマスを燃焼させて熱を送る。ヒートポンプで海水からも熱を回収する。断熱もしっかり行われているから、建物のなかはとても快適である。

ビスビーでとまったビスビーホテル。地域熱供給によるサウナに入った。とても気持ちよかった。サウナの横にはプールがあったので、入ってみた。お湯かと思ったら、冷たい水。再生可能エネルギーを有効に活用するためにも、無駄なエネルギー利用は避けなければならない。

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