まちなかの小さなビレッジ
昨年の夏に千葉県柏市でオープンした「柏の葉フューチャービレッジ」。地域関係者のコミュニケーションの場として、そして活動拠点として開設された施設である。敷地面積が1000㎡で、建物面積は400㎡。周辺の開発を手がける不動産会社のオフィス、まちのクラブハウス、キッチン会議室、隣接する病院の入院患者家族の支援センターで構成されている。
フューチャービレッジ、すなわち未来のムラ。滑らかなカーブを描く建物の形は、未来を予感させるデザインである。商業化された最新設備も数多く導入されている。屋根には14kWの太陽光発電パネルが設置されており、施設の消費電力の約4割を自給。ソーラーコレクターで集められた太陽熱は暖房に利用され、壁面緑化よって冷房負荷を15削減。高い断熱性能。LED照明。上水の利用量は雨水タンクの設置によって6割削減、などなど。ハードウェアとして、近未来の生活がデモンストレーションされている。
まちのクラブハウスでは、園芸倶楽部など多様な地域活動が試行され、キッチン会議室では食をテーマとしたワークショップが開催されている。こちらの方はソフトウェアとしての近未来の生活を創発しようという趣向である。それぞれの生活を楽しみながら、何かを共有できる、顔の見える人間関係をつくってゆく。かつての村落共同代のような拘束性の強い関係ではなく、志向を共にする人間関係といえるだろう。
まちのクラブハウスもキッチン会議室も誰かに占有されるものではなく、日によって時間によって使う人が変わり、場面も変えてゆく。この場所を基点としたヒューマンスケールなエリアのなかで、趣味や志を同じくしたグループがいくつも生まれてゆく。そして複数のグループは、この場所で緩やかに重なってゆく。未来を予感させる施設のなかで人間関係もつくられてゆく。
まちなかの小さなビレッジ。この場合のビレッジは、基礎自治体としての村ではなく、小集落である。小集落からのスタート。地域づくりの基本と言えるかもしれない。
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