エディブル鴨川

京都の街なかを南北に流れる鴨川。川の両岸は遊歩道。しかし三条通りから南に下った西側では、岸の石垣ぎりぎりのところまで、建物が建てられている。それでも建物と川との間にはスペースがある。エアコンの室外機が置かれていることが多い。しかし野菜を育てている人も意外と多い。

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三条大橋のすぐ下では、お地蔵さんが祀られ、その脇ではトマトが育てられていた。霜月の11月。もうすぐ寿命になるのだろうが、まだ青い実をつけていた。鴨川を南に下ってゆく。三条から四条にかけては、鴨川沿いの建物は飲食店が多く、夏になると川床を設置する。日当たりが悪くなるからか、川沿いで植物を育てるというケースはほとんど見受けられない。

Dsc03700_2 四条からさらに南に下ってゆくと、川床を出すような飲食店は少なくなり、川沿いで植物を育てるという景色も増えてくる。松原通りから少し下がった所にあるイタリアンレストランでは、客席に面して、背の高いオリーブ、そしてハーブ。 

さらに南に下ってゆくと、川沿いの建物は住宅が多くなり、野菜を育てる家も増えてゆく。マンションの裏手では、レンガで菜園がつくられ九条ネギが植えられていた。京都の街なか菜園では、どうやら九条ネギは定番のようだ。目にすることが、とても多い。プラスチックプランターや発泡スチロール容器で、ブロッコリー畑をつくっている家もある。資源の有効活用といえるだろう。やはり発泡スチロール容器を使って、野菜を育てている家は多い。

Dsc03704_2 けっこうズボラな人も少なくないようだ。11月に入ったのに、枯れかけたナスやオクラなどの夏物野菜が、そのまま置かれていることが多い。せかせかせずに、遊びながら野菜が育てられている。

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早い夏の到来

Dsc03257自宅敷地の一角に、メダケを植えてある。直径が2~3cm、高さ3~4mに育つタケで、材質部は粘り強く、かなり丈夫である。タケノコが出る頃に、間引きを兼ねて、古い株を伐りだして、畑の支柱として使っている。

何気なく、ふとメダケの株元を見ると、タケノコが顔を出している。例年より、10日ほど早いタケノコ。今年の初夏は暑い。無農薬栽培の畑でも、やはり虫の発生量は、例年よりかなり多いと思う。葉もの野菜は、作物によってはボロボロに虫に食われている。

Dsc03258けれど被害の少ない葉もの野菜もある。例えばサワビ菜。その名の通り、ワサビのような辛さがあるために、虫がつきにくい。できるだけ楽をしたいので、ついつい虫のつきにくい作物を選びがちになる。鮮やかな緑色、ギザギザで立体感のある葉っぱ。味という点でも、見た目という点でも、料理のアクセントになる。

暑さが増して、何とか対処しようと、作付けを考えてゆく。ワサビ菜を食べることが多くなった。

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久しぶりに鍬をふるう

Dsc03149冬の間は枯れていたニラの株から新しい緑の芽が出てきた。まだまだ気温は低いけれども、確実に季節は春に向かっている。あと1週間で2月も終わり、3月になる。播種や除草など、畑の農作業がだんだんと増えてゆく。堆肥を入れて、石灰を撒き、久しぶりに鍬をふるい、土を耕した。

およそ百坪の畑。家庭菜園というには、やや広い。耕運機は持っていないので、みずからの手で耕してゆく。江戸時代、一日に五畝(150坪)の畑を耕すことができて、一人前の農家の男と呼ばれたそうだ。江戸時代の基準からすると、百坪の畑は半日余りで耕すことができる。

今日、僕が耕したのは2時間強で、約20坪。かりに頑張ったとして、1日に耕せるのは、せいぜい70~80坪だろう。江戸時代の基準では半人前である。おそらく江戸時代の平均男性よりも、僕の体格は上回っているはずである。しかし半人前の仕事しかできないのは、鍬のふるい方が下手だからである。仕方がない。毎日ふるっているわけではない。

久しぶりに鍬をふるう。ふるい始めたときには力が余っている。しかし30分もすれば疲れてくる。すると、どうしたら楽に土を耕せるかと改めて考えてみる。身体の力も徐々に抜けてゆき、力を入れずに重力にまかせて、ふり落してゆく。じょじょに感覚が戻ってゆく。

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みんなで農業

021若者向けの雑誌『ブルータス』の最新号。特集記事は「みんなで農業」。農業ないし農的生活の実践を呼びかける内容で、週末ファーマー、脱サラによる農業、家庭菜園、ベランダ農園など、起農や帰農、半農半Xにまつわる、いろいろな記事が掲載されている。特別に目新しい記事はないような気がするけれど(偉そうな態度)、ビギナーにとっては参考になるかもしれない。「ブルータス、お前もか……」。

東京霞ヶ関の官庁街。農林水産省ではなく、経済産業省の別館ロビー。つい少し前から「植物工場」が展示されている。ガラスで囲まれた空間に植物を入れ、空間内の気候を灌水、施肥を最適に制御する。早く、そして効率的に、しかも季節に関係なく連続的に植物を栽培することができるそうだ。かなりの数の視察者に囲まれた植物工場のなかでは、イチゴとレタスが栽培されていた。

Dsc03124農業は、食糧を生産するという点で、不可欠な産業セクターである。そして持続的な方法で農耕を行えば、生物たちの生息空間を確保できるし、水や空気を浄化することにもなる。いうなれば人間の生存の基盤である。だから「みんなで農業」という姿勢で、農業に対する理解を深め、可能であれば何らかの方法で農業に関わることが望ましいのだろう。そのためには、まず多くの人々の関心を高めることが重要なる。いろいろなチャネルで、農業に関連する情報発信を行うべきなのだろう。

違和感を覚えてしまうものもあるかもしれない。植物がそうであるように、環境条件に合わなければ、生育することはない。残るものは、ちゃんと残ってゆく。まずは「みんなで農業」という姿勢は大切である。

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大寒の美味しい菜の花

66暦の上では大寒を向かえた。2月上旬の立春までの、この時期が1年のなかでもっとも寒い。当然のことながら、植物は育ちにくい。畑での収穫物も少なくなってくる。とはいえ、この時期にも露地で収穫できる農作物もある。そのひとつがアブラナ科の紅菜苔(コウサイタイ)で、ちょうどいま花を咲かせ、暖かな雰囲気を漂わせている。

その名の通り、紅菜苔の茎や葉は紅みがかった紫色をしている。黄色い花とは鮮やかな対照をなしており、なかなかピクチャレス九である。紅菜苔の赤い色はアントシアニンによるもので、抗酸化効果があるそうだ。そして、ある一定程度の低温になるほど、色が濃くなり、柔らかい茎は甘くなるという。ダイコン、キャベツ、ハクサイ、コマツナなど、アブラナ科には、じつに多くの種類の作物があるが、それぞれが育ってゆく環境も多様である。

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寒波到来

冬至を越し、これからは昼間の長さがだんだんと長くなってゆく。とは言っても、寒さの方は厳しくなってゆく。冬はまだまだ序の口である。

寒波がやってきた。じゅうぶんに日が高くなってから、畑に出向いてみる。霜柱が背を高くしている。5センチメートルほどはあるだろうか。自然の妙なる美しさを感じるけれども、ちょっとした痛みにも似た感覚もある。ダイコンやホウレンソウ、紅苔菜(コウサイタイ)などは、しっかりと立っている。しかし獲り残したカブの葉っぱは、霜に負けて萎れている。急いで収穫する。

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寒々とした畑の一角には、ふんわりとした暖かな場所もある。腐葉土をつくるために、週末ごとに落ち葉をかき、積んでいる。そろそろ一杯になってきた。落ち葉のベッド。足で踏みつけてみる。まさにベッドのような弾力がある。いったん凹むものの、ゆっくりと元の状態に戻ってくる。気持ちいい。

霜柱も足で踏みつけてみる。パリパリ音を立てて崩れてゆく。こちらの方も気持ちいい。

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田んぼの時代が来るか?

日本は先進国のなかで、食料自給率が最低水準で40%である(2007年。前年より1%アップ)。そこで約10年前に食料・農業・農村基本法という制定され、基本法にのっとって、おおむね5年ごとに基本計画がつくられている。最初の基本計画は2002年につくられたもので、当時の食料自給率は40%。そして2010年ごろの食料自給率の目標は45%と設定されていた。現在の食料自給率は40%だから、取り組みは、ほとんど成果を上げてこなかったと評価されても仕方がない。

農水省は、一昨日(12月2日)に、新たな基本計画を策定することを公表した。今度の基本計画では、おおむね10年後には食料自給率50%をめざすという。過去10年間で食料自給率は、ほとんど上昇したかった。しかし次の10年で、10%向上をはたす。そのためのイメージも提示されている。1人当たり年間の米消費量を61kgから63kgにすることで、食料自給率は1.3%アップ。米粉の生産量1万トンから50万トンに拡大すると、1.4%アップ。飼料米の生産で0.1%アップ。そして裏作小麦の生産量を91万トンから180万トンに拡大して、2.5%アップ。その他、油脂消費の抑制。供給熱量の縮小(廃棄ロスの縮小)などなど。

Dsc01677いろんな取り組みを進めることで10%の向上が実現されるそうだが、そのうちの過半が、米や水田裏作など田んぼの関係するものである。米は日本人の主食であるし、連作障害や塩害を起こさないという点で、稲作は非常に持続可能性の高い生産方式である。だから農水省の示すイメージは、ある意味でとても理にかなっていると思う。しかし理にかなっている姿であったとしても、それが実現されるかどうかは、わからない。過去10年で、見るべき成果がなかったのだから。

個人的なアイデアである。食料自給率の向上において、田んぼが大きな役割を果たす可能性があるとするならば、まずは大々的に「田んぼの時代キャンペーン」を展開してみたらどうだろうか。当たり前のこと過ぎるために、田んぼの存在が十分に認識されていない気がするのだが……。

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旬の野菜が工夫を出す

収穫の秋である。自家用の畑では、どんどん旬の野菜が収穫できている。ただし、いくら旬といえども、同じものばかり食べていると、飽きが来る。手を変え、品を変えて食べ方を工夫してみる。

Dsc02965青首ダイコンのステーキ。青首ダイコンの実はとても柔らかく、煮物にすると、とろけるような食感となる。その青首ダイコンをステーキにする。もともと柔らかいから、それほど長い時間、焼かなくてすむ。ミリンと醤油で焼き、ゴマを振り掛ける。香ばしさと柔らかさ、そして青首ダイコンの甘さが同居するステーキになる。外側の皮を剥いて焼くだけの簡単な料理である。

鹿ケ谷カボチャ、ヤーコン、サツマイモなどのイモ系の野菜はマリネにする。こちらも焼いて、そのあとオリーブオイルにつけるだけの簡単料理。鹿ケ谷カボチャやサツマイモは、とても鮮やかな色で、しっかりとした歯ごたえ。ヤーコンの方は、あめ色で半透明。こちらの方はサクサクとした歯ごたえで、ナシのような甘みがあって、フルーツのような感触がある。

収穫物はお裾分けしているけれど、それでも多くの野菜が残り、半ば追われているような雰囲気もある。だからこそ何とかしようと工夫が出てくる。と言うわりには、簡単料理である。

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きっぱりと畑に冬がきた

『冬が来た』という高村光太郎の詩がある。次のような出だしで詩が詠まれてゆく。

Dsc02960きっぱり冬が来た
八つ手の白い花も消え
公孫樹(いてふ)の木も箒になった
きりきりともみ込むような冬が来た
人にいやがられる冬
草木に背かれ、虫類に逃げられる冬が来た

週末に、のんびりと畑作業を行っている。収穫適期を過ぎた農作物も、引っこ抜かずに、そのまま放置してあるもの多い。ただし、この時期になると、さすがに気温が下がり、たとえば空芯菜やツルムラサキなどの、いわゆる夏型の植物たちはいっきに枯れてゆく。畑にも、きっぱりと冬がやって来たようである。

しかし冬場でも、育ってゆく野菜はある。たとえば紅苔菜(コウサイタイ)や野良ぼう菜など。高村光太郎の『冬が来た』では、冬になると「草木に背かれる」と詠まれているけれど、場所によっては、必ずしもそうではない。そして「虫類に逃げられる」から、冬場に栽培する農作物は、楽といえば楽であり、「人にいやがられる冬」ばかりでない。ものの見方や考え方は十人十色である。

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落ち葉かき

木々が色づいてきた。自宅近所の公園に落ち葉を集めに出かけた。この春から、破格の条件で約100坪の畑を借りている。ただし、ずっと慣行農法で農作物が育てられ、その後しばらく使われていなかった。決して肥えた土地ではない。時間をかけて土づくりに取り組み、それなりの有機農業をやっていこうと思っている。畑の一画で腐葉土をつくるために、落ち葉かきに出かけた。

Dsc02901子供が小さかった頃、一緒に公園に出かけて、花を摘んだり、工作の材料として木の実や葉を持ち帰ったことがある。その程度のことなら、まったく問題にはならないだろう。いっぽう公園の樹木を伐り倒して、持ち去ったとしたら、犯罪になるだろう。さて、公園から落ち葉を持ち去ることは問題になるのだろうか。落ち葉を持ち去ることは、清掃の手間をわずかながらも軽減することになる。ただし、いずれゴミとして処理されるとはいえ、ただで栄養分を得ていることになる。

気になったので、公園の案内を確認してみた。車両の乗り入れ禁止、花火の禁止、物品販売の禁止などが表記されていたが、公園の植物の持ち出しについては、まったく言及されていなかった。おそらく、持ち出す人がほとんどいないから、あえて注意する必要がないということだろう。もったいないといえば、もったいない話である。

一枚一枚の落ち葉はとても軽い。しかし、まとまった量になると、ずしりと重い。自然はありがたい。

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