2009年11月 6日 (金)

さすがT自動車

Dsc03708 T自動車で朝いちミーティング。T自動車の本社は名古屋駅から電車で約1時間。そのため朝いちミーティングに参加しようとすれば、京都駅での一番列車に乗らないと間に合わない。朝陽がのぼる前の京都駅。東の空から、ほのかに明るくなってきている。美しい曙を見ることができた。T自動車のおかげ。

T自動車でのミーティングは無事に終了。時間の少し余裕があったので、本社前のT会館を見学してみる。トヨタの自動車、自動車の生産のし方、あるいは環境や安全への取り組みについて、展示施設である。

Dsc03717 行ってみて、ビックリ。T自動車の本社は、とても好立地にあるとは思われない。にもかかわらず多くの人でにぎわっている。日本人だけではく、外国からの訪問者もある。まるで観光地のようである。どこから人が集まってくるのだろう(4体のロボットによる合奏は凄いと思ったけれども、何となく悲しさもあったなあ……)。

僕個人はクルマを持っていないし、話の端々にクルマを排除するニュアンスが出ていたはずである。しかし今日、会った人たちは、そのことを受け止めてくれた。時代は変わりつつあるかも。

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2009年9月23日 (水)

農が工をつくり、そして開発へ

Dsc03568 東京葛飾区の自宅付近に、中川という一級河川が流れている。広いところでは、川幅は50メートルを超える大きな川で、ときどき屋形船なども行き交っている。一般に川というと、山に水源があると思われがちであるが、この中川は埼玉県羽生市に水源地がある。中川を流れる水の半分以上は、水田からの排水である。水の出入りがあるからこそ、健康な稲を育てることができる。多くの人口を養うために、肥沃な沖積平野で水田がつくられ、そして人工的な川の流れがつくらてきた。

自動車がそう多くない頃、中川は船による物流を担ってきた。そして、それは工業を支える大きな条件にもなった。だから20世紀に入ると、中川沿いには大きな建てられた。地価の低い、農村のようば場所に、いきなり近代的な大工場が現れる。周辺に住んでいた人たちは、驚きもしただろうし、歓迎した人もいただろう。富国強兵という考え方が、定着しつつあった時代である。

Dsc03566 ところが時代は大きく変わった。かつて農村だった場所は開発が進み、住宅が建てこんできた。かつて大規模と考えられていた工場は、もはや大規模でありえず、製造業は海外へ生産拠点をシフトさせてゆく。中川沿いにあった大きな工場は次々と閉鎖され、広大な工場跡地が残されていった。

そして工場跡地で、いま新しい街づくりが進められている。ます老人福祉施設が建設され、高層マンションも工事中である。やがて大学のキャンパスも移転して来るそうだ。計画がうまく行けば、近隣は活気づくだろう。しかし、どういうわけか、うれしいという気持ちにはなれない。

やはり何かモノをつくるという行為が街のなかにあってほしいと思う。

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2009年8月 4日 (火)

京都の山いろいろ

週末、近くの山に出かけてみる。京都の街はコンパクトで、街なかから徒歩で山に行くこともできるし、自転車で1時間余りも走れば、かなりの山のなかに行くこともできる。徒歩や自転車だと、乗用車よりも視線の位置が高く、速度もゆっくり。見えてくるものも多いと思う。

Dsc03365Dsc03367_2 

 

 

 

 

知恩院や高台寺の東側の東山。大きな寺院の後背地であり、林業地として開発はされず、多種多様な樹木が残されている。しかし市街地から近いためか、ガードレールから谷に目を向けると、多くのゴミが散乱している。ペットボトルや空き缶、ゴミ袋、あるいは廃家電。盗難車らしいクルマが停められていたり……。

そして廃墟のような空間。かつて東山の山中には、大きな滑り台のあるプールがあったようだ。そして釣堀もあったらしい。いずれもが期待ほど売上げが伸びず、閉鎖にいたったのだろう。捨てられた空間は、往時の形をそのまま残している。おそらくターゲットとして想定していた客層は観光客ではなく、地元京都の人たちだったはずである。総本山が集まる京都。地元の人たちは、擬似的な空間を支持しなかったということだろう。

Dsc03375 北山、鞍馬山の近くの山。ちょうど植林が行われている最中のようだ。山の南側が皆伐され、山肌が露になっている。ただし、その一部は緑のじゅうたんを敷かれたようになっている。たぶんスギの苗が植えられた直後。総体的には、日本の林業は停滞傾向にある。だからこそ頑張ってほしいと思う。

山へ行ってみよう。

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2009年3月12日 (木)

冬咲きチューリップ

職場近くの公園で、赤いチューリップが咲いていた。「えっ、もうそんな季節になったのか?」と怪訝に思いながら近づいてゆくと、小さなサインが添えられていて、「特殊処理を行うことで、2月に開花する冬咲きチューリップ」と書かれていた。普通のチューリップは4月頃から開花するけれど、花の期間は短い。しかし冬に咲くチューリップは開花期間がとても長いそうだ。このチューリップにしても1ヶ月も開花していることになる。

Dsc03169ちなみに後で調べたところによると、冬が来る前に、しばらく球根を冷蔵保存しておくと、擬似的な冬を経験したことになり、開花時期が早くなるそうだ。そして寒い時期に開花すると、新陳代謝が早くないので、花の期間が長くなるのだろう。生きている花だけれども、造花に近い。

春の花といえば、サクラである。サクラはいっきに花が咲いて、短期間で散ってゆく。はかないからこそ、人々の関心を引き、記憶に残るのだろう。サクラと同じ時期には、菜の花が鮮やかな黄色い花を咲かせている。菜の花の方は、次々に花を咲かせ、種類によって差はあるのだろうが、開花期間は1ヶ月以上になる。菜の花の方がずっと色彩が豊かだけれど、サクラのような人気があるとは思えない。

2月に開花する冬咲きチューリップ。玄冬の2月といえば、落葉樹はホウキのような状態だし、花は少ない。だから、これから街の花壇や公園で、冬咲きチューリップが増えてゆくのだろう。街のにぎわいを演出するという点では、好ましいことなのかもない。ただし野菜だけではなく、花の旬も不明になってゆく。

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2009年3月 8日 (日)

locavore(ローカボー)

最近、知って驚いたこと。中国ではGDPの2割を物流業が占めるそうだ。物流業にとっては売上だけれども、それはコストと考えることができる。商品の販売価格のうちの2割が物流コスト。少なからぬコストである。日本は中国から大量の物資を輸入している。

気になったので、日本のGDPに占める物流コストを調べてみると、およそ8%だそうだ。中国と比べて、日本の国土は狭い。ものづくりの多くを中国に委ねている。だから物流コストの割合は中国の半分以下。しかし8%というのは決して小さな数値ではない。そして8%というのは、全体としての数値だから、ものによっては10%を超え、20%に達するものあるだろう。物流コストはバカにならない。

少し古い話になるけれども、New Oxford American Dictionary の 2007 Word of the Year が locavore 。local(地域)と vore(……食動物)を組み合わせたもので、「地元で生産された食品を食べる人」という意味である。locavoreは、地域の物質循環をつくることになるし、物流コストを削減することになる。

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2008年10月15日 (水)

新東京丸クルーズ

Dsc02836視察船「新東京丸」という船がある。その名が示すように東京港を視察するための船であり、東京都の船である。全長が30メートル強の小型船であるけれども、3階建であり、東京湾内を走る水上バスよりも存在感がある。初めて知ったことであるが、団体で゙申し込めば、誰でも無料で視察に参加できるらしい。「そんな視察にはたして人が集まるのだろうか?」と疑問を感じ、ホームページで予約状況を確認したところ、予約が埋まっている日に方が圧倒的に多い。東京港を視察したいという団体は多数あるようだ。

竹芝ふ頭を出発して南に下り、新東京丸は東京港をぐるりと反時計回りで一周する。運行は約1時間30分。芝浦ふ頭を右手に見ながらレインボーブリッジをくぐり、大型船がおびただしい数のコンテナを荷さばきするコンテナふ頭の間を通ってゆく。大量の物資が東京港に入ってきて、それが東京圏の生活を支えていることを、改めて思い知らさせる。

海底トンネルの上を通り、船がコンテナふ頭を過ぎると、進行方向の左手に廃棄物処理のための埋立地が現れる。もともと中央防波堤外側埋立地という、ごみの最終処分場があったけれども、埋め立ての残り容量が少なくなったために、1996年から460haの新海面処分場埋立地の整備が開始された。海に建設物をつくるのは容易ではなく、また汚水の漏れを防ぐには、強固な工事が必要となる。1メートル当たりの護岸建設費は3000万円になるそうだ。やはり、ごみを出さない生活は大切である。

東京港から湾内に出た新東京丸は、廃棄物処理場を旋回するように進み、大きな円を描いて再び東京港に入ってゆく。もともとは、ごみの埋立地であった若洲海浜公園、木場の貯木場、自動車などの工業製品を取り扱う貨物ふ頭、個性的デザインの東京ビックサイト(国際展示場)、東京都中央卸売市場(築地市場)が移設される豊洲地区、そして最後は、墨田川に入って少しだけ逆送し、出発地点である竹芝ふ頭に戻ってゆく。

新東京丸の1階船室部分は、大きな会議室のように作られている。大きなテーブルがあって、安楽イスのような座席で囲まれている。最初に足を踏み入れたとき、「これほど豪華に内装した視察線は、無駄ではないだろうか」と感じた。しかし東京港について学ぶことができ、また稼働率が高いのなら、決して無駄ではない。正直、そう思った。

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2007年12月24日 (月)

年越準備、注連縄(しめなわ)づくり

Dsc04899かつて葛飾区は、稲作を中心とした農村地帯で、注連縄は葛飾特産のひとつだったそうだ。稲刈りを終えて、ひと段落がついた11月頃から、注連縄をつくり、年末に農家みずからが露店を出して売る。農家にとって重要な副業だった。しかし他の地域と同じように、葛飾区でも農家は大きく減少し、注連縄をつくる人もほとんどいなくなった。

Kさんは葛飾区に残る数少ない、注連縄づくりの名人である。名人を講師とした、注連縄づくりの講習会に参加してきた。得てして名人は、ていねいな説明はしてくれない。K名人も人当たりは柔らかであるが、何の前触れもなく、いきなりワラを編み出し、「さあ、まず輪ジメをつくりましょうか」。輪ジメは、ワラを三つ編みしながら、途中で3本のワラを垂らしながら、丸い輪にする注連縄である。これは、ていねいな説明がなくても何とかできる。

次はゴボウジメである。普通の縄をつくるときは、右よりでつくってゆくが、注連縄はハレの場に使うものなので、ワラを左よりでつくってゆく。右よりでも縄をつくるのは簡単でないのに、左よりはさらに難しい。「こうやって、より合わせるんですよ」と言われても戸惑うばかり。たしかに、これなら説明はあっても、何の役に立たないかもしれない。自分の手で、ワラを寄り合わせる感覚をつかむしかない。

最後は玉ジメ。こちらの方は、あらかじめ名人がつくってきた、捻れた太い縄に、より合わせたワラをつけ、全体の形を整えた後で、水引きや松竹梅、伊勢海老(イミテーション)などの飾りをつけてゆく。要は配置であり、目で簡単に確認できる作業なので、わかりやすい。

世の中は、とても便利になってきた。そしてITの普及によって、どんどん視覚優位になってきた。その代わりに、おそらく手先は不器用になってゆくのだろう。いずれにしても年越準備がひとつできた。

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2007年10月 8日 (月)

花園荘のリインカネーション

東京都足立区六町。我が家から自転車で20分強。「畑がついてるエコアパート」が建設中である。総戸数が4戸の小さなアパートであるが、各戸それぞれに土間と畑がついている。コモンスペースには果樹が植えられ、小さなハーブガーデンもある。アパートそのものは東京の木を使って建てられ、パッシブソーラーシステムを採用するなど、環境に配慮した建築となっている。予定では10月末に竣工し、11月から入居が始まるそうだ。

このアパートで、1泊2日の庭づくりのワークショップが開催されたので参加してきた。行った作業は敷地周りの土留め石積み、石積み花壇づくり、四つ目垣というフェンスづくり、スパイラルガーデンと呼ばれる螺旋状のハーブガーデンづくり、果樹の定植、小さなベジタブルガーデンづくりなど、である。

Dsc04414参加者の人数は1日目が約30人、二日目は20人弱。二日目はずっと雨に降られたけれど、ただ剥き出しの地面しかなかったところに、とりあえず庭の骨格らしきものが出現してきた。僕を含めて、大半の参加者は素人だったと思うが、やはり多人数が集まると作業ははかどるものである。

面白いと感じたのは、ほんの簡単なレクチャーの後で、すぐに作業に入ることである。そして「複数の作業がありますが、適当に分かれて、作業を進めてください」という指示である。あえてグループなどを設けたりしない。参加者の多くは若い世代であるが、それぞれが適当に分かれて、仕事を進めてゆく。若い世代はマニュアルがないと動けないと言われることが多いが、決してそんなことはないと思う。

畑がついているエコアパートの名前は「花園荘」である。その昔、この場所には「桃鶏園」という養鶏場と桃の果樹園があった。もともと花が多い場所であったために、アパートは「花園荘」と名づけられた。そして30年以上が経ち、老朽化したアパートを建て直すことになった。賃貸住宅経営をただ利潤追求の手段とするなら、できるだけ少ないコストで建て、管理が容易なアパートを建てればすむ。あるいは等価交換など、いろいろな不動産開発の手法がある。しかし大家さんは、そのような選択肢はとらず、住む人にも豊かな環境を提供し、地域に潤いをもたらすアパートをつくることにした。そしてアパートの名前も、往時と同じ「花園荘」とした。

花園荘は花園荘として生まれ変わる。「花園」という精神のもとに、再び新たな形がつくられる。英語で言うなら「Reincarnation(魂の再生)」かもしれない。

周囲には往時をしのばせる雰囲気が残っている。まさに昭和を思わせる小さな住宅がある。多種多様な果樹が密生する大家さんの庭。空き地風のオープンスペース。どことなく温かな空気が感じられる。新しく建てられる花園荘も総二階建てのシンプルなデザインである。だから時代の変化を見極めたうえで、花園荘がReincarnationしてくるようにも思えてくる。

竣工後には見学会があるそうだ。必ず参加しようと思っている。

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2007年9月 1日 (土)

エコ文化「サクセスフルエイジング」

Dsc01733ちょうど十年ぶりに名古屋の知人を訪れた。もともと彼は大きな会社の経営に携わっていたが、会社経営を後進に委ね、いまの仕事をし始めた。関西出身であったけれども、縁あって名古屋市北部に4階建の小さなビルを建てた。ビルディングという具体的空間において、環境に配慮したライフスタイルをプレゼンテーションし、そこで多くの人が学び、交流できるようにしてゆけば、エコという文化が広がってゆくだろう。人工的な都市空間に、エコという楔を打つビルとして建てられた。

ビルの最上部は屋上緑化、テラスの屋根はベランダ壁面には太陽光発電システムが設置されている。建物全体がツタなどの植物に覆われ、屋上の一部は畑になっている。すべての内装材は自然素材。夏場には通風を確保しながら、冬場には日射で部屋を暖める。エネルギー負荷を小さくしながら、自然の恵みを実感できるよう設計がなされている。外部の人間であっても見学できる。

現在、ビルにテナントとして入っているのが、オーガニックレストラン、リフレクソロジーサロン、幼児のプレスクール教室、宝石リフォームショップなど、いずれも個性的で小さな事業者である。オーガニックレストランの若いスタッフとわずかに言葉を交わしたけれども、まっすぐな素直さが感じられて、とても気持ちよかった。

名古屋といえば、2年前に環境をテーマとした博覧会が開かれた。またトヨタのお膝元であり、景気は好調である。道路が広いなどの点で、都市改変の余地も大きいと思う(例えばLRTが導入しやすいはず)。だから名古屋は、エコという点で大きな可能性をもった都市だと思っていた。しかし知人によると、名古屋ではモノには積極的であっても、新しい文化には消極的な傾向があるという。全国のなかでも名古屋圏では、三世代同居が多く、昔ながらのコミュニティは残っている。それは好ましいことであるが、変化への躊躇も生み出す。エコ文化も例外ではないという。

それならば文化に結びつくモノをつくればいい。例えば長持ちするだけではなく、使い込むうちに味わいが出てくるようなモノづくり。だとしたら、このビルが真価を発揮するのは、これからかもしれない。竣工してから10年が経ったが、さほどメンテナンスは必要としなかった。緑も建物になじみ、建材もほどよく退職してきた。アンチエイジングではなく、サクセスフルエイジングである。

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2007年8月28日 (火)

里海づくり

Dsc04130_2用事があって、東京湾の埋め立て地「お台場」へ行った。ちょうど東京都主催のイベントが行われていた。生物資源を使って、水質を浄化するための実験施設を、都民参加によってつくるというものである。モウソウチクでイカダをつくり、そこにカキをぶら下げる。実験施設の海底にはアマモを植えたり、マナコを放流したりする。カキによる栄養物の吸収、アマモによる光合成、その他の微生物による分解作用、干潟付近の食物連鎖を豊かにする実験だという。

干潟といえば、生態系のなかでもっともバイオマス生産性の高い場所である。海と陸が出会う場所であり、潮の満ち引きによって多様な状況が出現する。環境が多様であるために、そこで多様な生物たちが生きてゆける。もちろん食うか食われるかの熾烈な食物連鎖があるわけだが、それによって海の水が浄化されてゆく。

主な生態系のバイオマス生産性(出所:ホイタッカー『生態系序説』)
 熱帯多雨林 21.9(トン/ha・年)
 温帯落葉林 12.1(トン/ha・年)
 北方森林   8.0(トン/ha・年)
 耕地      6.5(トン/ha・年)
 湖沼・湿地  30.0(トン/ha・年)

人里を離れた奥深い山が奥山で、人里に近い山が里山。里山は、人が多くの手を多く入れることで、高い成長力が実現でき、いろいろな自然の恵みを人間にもたらしてきた。この考え方を海にも応用すると、里海という発想もありえるだろう。ただ清潔に保つだけではなく、人間の手や知恵を加えることで、海のバイオマス生産性を高め、その恵みを享受できるようにする。

東京湾にほとんど干潟は残されておらず、水は汚いというイメージがある。しかし、お台場海岸に人工的に造成された干潟付近の水はかなり透明度が高く、波打ち際に立てば、すぐ近くを泳ぐ小さな魚の姿を目にすることができる。沖の方で、水面から飛び出し跳ねる魚もいるようだ(たぶんボラだろう)。じゅうぶんに生物たちが暮らしてゆける海であり、里海としてのポテンシャルはまだ残されている。

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2007年8月15日 (水)

社会へメッセージを送る歌

今日は終戦記念日。

かつて『戦争を知らない子供たち』というフォークソングが流行した。当時は幼かったため、それが戦争に反対する歌であることはわかったが、時代背景までは理解できていなかった。日米同盟、第2次安保闘争などの背景も含め、『戦争を知らない子供たち』が何を意味するかを理解できたのは、かなり後になってからのことである。この歌を作詞したのは北山修さん。その頃は京都の大学生で、後に精神科医となる。

『戦争を知らない子供たち』が発売されたのは1970年。その6年後の1976年に北山修さんは『12枚の絵』というソロアルバムを出した。アルバム最後の楽曲が『さようなら』で、こんな出だしである。

 歌っているだけで醜い世界に夜明けが来ると
 むきになって信じた時代は今からそう遠くないな
 それでも周りはずっと住みにくくなってゆきそうで
 そんな気がして歌を止めたこともあった

歌詞に示されているように、フォークソング全盛の時代には、歌を通じて社会的なメッセージを発信し、社会を変えてゆこうという意欲が歌う側にもあったし、聞く側からも支持を受けていた。しかし暮らしが豊かにつれ、社会的メッセージを歌う意欲も、支持も小さくなっていった。恋愛や自分ことをテーマにした歌ばかりである。そう思っていた。

51dbpinqu6l_ss500_しかし、そうではなかった。ヒップホップグループのCOOLONが今年5月に発売した『Hey Now! / Today』。地球温暖化を題材とした『Pray feat. VJ BOO』という歌が収められている。海面上昇に沈むツバル、1月に桜の咲くニューヨークなどの地球の危機を訴え、たった少しの意識改革を求めている。社会的メッセージを持った歌だと思う。

戦争も避けなければならない。同じように地球レベルでの環境危機も避けなければならない。多くの人に聞いてほしい歌である。

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2007年4月21日 (土)

エコダウン・エコアップ

気分転換にサイクリング。自宅の葛飾区を出発し、埼玉県の三郷市を通り、吉川市、そして千葉県流山市をぐるっと回ってきた。約40キロの道のり。この辺り開発は進んでいるけれども、まだ農地は残っているし、往時の雰囲気を感じさせる風景も残っている。

Dsc03427_1Dsc03429 








二郷半領用水路。江戸時代に二郷半領(現在の葛飾区や三郷市)に送水するために、埼玉県東部の松伏町から南北方向につくられた。稲作に不可欠な水を送り、用水路はドジョウやフナなどの魚をはじめ野鳥や昆虫などの棲家となった。人間が自然に手を加えることによるエコアップ、生命活動の活発化といえるだろう。しかし多様な生物の棲家だった用水路がどんどん縮小されている。いまもカモなどが棲んでいる区画が残っているのに、そのすぐ近くで用水路の改修工事が行われていた。エコアップから、一転エコダウン。工事が進んでゆくと、カモたちはどうなるのだろうか。考えされられるなあ。なお改修工事が済んだ場所では、ところどころ小さなビオトープが確保されている。小さい。

Dsc03444吉川市のニュータウン開発、コスモタウンきのみ野。ある一画は、太陽光発電パネルが標準装備の住宅が建ち並ぶ。79軒、すべてが3kwのシステムを搭載。太陽光発電パネルの屋根がずらっと並ぶと、なかなか壮観である。自然エネルギーを生かすという点でエコアップ。ある意味で未来を予兆する風景だと言えるだろう。

エコダウンを減らし、エコアップを増やしたいものである。そうなればサイクリングももっと楽しくなる。

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2007年4月20日 (金)

コモンズ(共有地)の悲劇

Dsc03387JR常磐線の金町駅、僕にとっては最寄り駅。駅の北口には金町駅前団地がある。1400戸余りの大きな団地で、スーパーマーケットや公園もある。3年ほど前からだと思う。団地中央部の広場にガードが設置され、立ち入り禁止状態となった。ガートが設置される前には、たくさんの自転車が止められ、無料駐輪場と化していた。放置自転車も少なくなかったようだ。みんなの場所だし、1台ぐらいは構わないだろう。他の人も停めているし、停めきゃ損だ。駐輪を控えるよう呼びかけもあったものの効果はなく、結局は力づくでの排除にいたった。誰でもガ自由に入れるコモンズ(共有地)の悲劇である。

Dsc03412千葉県柏市の「ららぽーと柏の葉」には屋上農園がある。屋上にそのまま土を敷くのではなく、キャスター付きの木製プランターによる農園である。キャスターがついているから、例えば多くの人がやって来るときなど、状況に応じて農園のレイアウトを柔軟に変更できる。また木製プランターは通気性が高いという点で、農作物の栽培にも好ましい影響を及ぼすことになる。とても面白い取り組みだと思っていた。ところが久しぶりに訪れてみて、意外な事態に出くわした。以前は誰もが自由に出入りできる農園だったのに、ゲートが閉じられている。農園講座会員以外は入場できなくなっている。

会員(定員18組)は会費を支払って、屋上農園で有機栽培を学んでいる。もし屋上農園に不特定多数の人が自由に入れ、不届き者がいたとしたら、勝手に植物に手を加えたり、農作物を持ち去ってゆくかもしれない。経験はあるけれども、苦心して育てた農作物を持ち去られるのは心苦しい。だから入場を制限するという心情はよくわかる。コモンズの悲劇に似たようなことはじゅうぶん起きる。

この屋上農園には多くの可能性があると思っていた。庭のように見ていても楽しくなる農園。身近で農作物を育てることができる。プラスチックではなく、木製で洗練されたデザインのプランター。だから、できるだけ多くの人に間近で見てもらったが方が良いと思っていた。しかし残念ながら入場が制限されてしまった。まあ、仕方ないのかもしれない。

おそらくハード(建物)先行で、開発計画をつくったことが原因でないだろうか。はじめから屋上農園を設置する計画であったとしたら、もっと多くの人の目が届きやすい場所に屋上農園を配置できたと思う。そうなっていれば、仮に入場が制限されていたとしても、屋上農園の可能性を伝えることができたはずだ。

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2007年4月14日 (土)

長く使える一生もの

Dsc03398知人が渋谷区にギャラリー「日日」をオープンした。渋谷といっても、若者が集まるような場所ではなく、昔ながらの商店街が残っている富ヶ谷である。扱っているものは漆器や焼き物など、職人の手による伝統工芸品。ギャラリーの主は日本人ではなく、ドイツ人。おそらくドイツ人の彼の目には、日本の伝統工芸品が新鮮かつ斬新に映ったのだろう。興味をもって全国各地を駆け回り、いまでは彼は日本の伝統工芸について本を書くほどまでになっている。

伝統。それは昔の様式を単に伝え受けるだけではなく、新しい何かと統合してゆくことなのだろう。だから伝承ではなく、伝統である。昔の様式をベースにしながらも、時代の風を吹き込んで、創造してゆく。優れた伝統工芸品は、現代の生活においても十分に通用するはずである。ギャラリー「日日」の扱うものは、そのような工芸品だと思う。

もちろん職人さんたちの手づくりだから、決して安くはない。かといって一般市民にとって、まったく手の届かない金額ではない。例えば小さな急須が2万円弱。いつまでも古びることなく、使い込んでいくうちに味わいが出てくる器。丁寧に扱い、破損することがなければ一生使えるも代物である。量より質。次々と新しいものを追い求めるのではなく、数少ないものを大事にし、長く付き合ってゆく。これからの暮らし方の進むべき方向だと思う。

ギャラリー日日の主はドイツ人だけれども、流暢な日本語を話す。そしてドイツのホメオパシーの有資格者でもある。とても面白い人物である。

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2007年3月17日 (土)

メッセージを伝えるための無料モデル

Cover『オルタナ』という雑誌の創刊号が届いた。事業とは別途に環境対策を行うのではなく、事業活動そのものを通じて環境問題を解決しようとする。そんな企業やビジネスを紹介する雑誌のようだ。定価350円で、50ページ足らず。コンパクトな雑誌であるけれども、なかなか充実していると思う。巻頭記事の「良心が経営を変えた」では、日米欧の先進的企業51社が紹介され、パタゴニアの創業者、イヴォン・シュイナードのインタビュー記事もある。

この雑誌は350円という定価がついているが、無料で送られてきた。ウェブサイトで登録すれば、雑誌代・送料とも無料で送ってくれるそうだ。どうやら僕もどこかの時点で、申し込みをしていたらしい。ただし本人の記憶にはまったく残っていない。このところウェブを中心にいろんなサービスが無料で利用できるようになってきた。たくさんのサービスがあるから、つい申し込んでしまう。申し込んだ本人は覚えていなかったりする。感謝の気持ちも薄れがちになる。

この『オルタナ』も無料モデルであるけれど、一般の無料モデルとは、ひと味違っている。無料のサービスを提供することで、多くの人を組織化し、そこで企業の販売促進に結びつけてゆくのが、一般的な無料モデルなのだろう。もちろん『オルタナ』にも販促的な性格はある。しかし同時に社会を変えてゆこうというメッセージも発信している。より多くの人にメッセージを伝えるための無料モデル。陰ながら応援したいと思う。

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2007年3月 4日 (日)

グッドニュース

うれしい知らせ。この4月に大分市にリサイクルプラザという施設オープンするのだが、僕が以前に書いた雑誌記事が2次利用されることになった。この施設には「世界の環境ニュース」という常設展示コーナーが設けられるのだが、タイのブラカーオ市の取り組みが紹介されることになったのである。大きな世界地図上でブラカーオ市の場所がプロットされ、写真と解説文(ナレーション)がつくそうだ。

Dsc01782ブラカーオ市は山形県長井市と国際交流を行っている。長井市は生ごみを再利用するレインボープランでとても有名であるけれども、ブラカーオ市も長井市にならって、同じレインボープランという名称で、生ごみの再利用事業を2002年から始めたのである。そのことが大分市リサイクルプラザで紹介されることになったのである。

タイでは環境問題に対する関心は、まだそれほど高まっていない。現時点ではブラカーオ市のレインボープランは、タイ国内からさほど大きな注目を集めていない。海外で評価され、県庁所在地の施設において彼らの取り組みが紹介される。ほんの少しかもしれないが、現地の人たちの励みになってくれればと思っている。自分の記事が2次利用されることよりも、タイでお世話になった人たちのことが紹介されることのほうが、ずっとうれしい。

拙文でも書いてみるものだ。このブログもそうだけれども・・・。

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2007年2月11日 (日)

不都合な真実かも

Dsc03164近所の都立公園。数年前からカラスを捕まえるトラップが設置されている。大きなトリ小屋のなかにエサが置かれていて、小屋の中にカラスが入ってしまうと、もう出られない。捕まったカラスはきっと命を絶たれてしまうのだろう。カラスが増えた原因は、人間が出したゴミにある。家庭から出されるゴミのうち約4割は生ゴミで、カラスたちにとっては貴重なエサになる。人口の集中する都会では、当然のことながら出てくるゴミの量も半端でない。かくして都会ではカラスたちが反映することになる。

いっぽう人間の側も手をこまねいているわけではない。家庭ゴミを回収する場所では、ゴミにネットがかけられるようになった。集合住宅を建てるときには、専用のゴミ回収箱も設置されるようになって来た。すると個体数が増えたカラスたちは、他にエサを求めるようになってきた。他の野鳥や小動物、ペットや家畜(都内でもわずかながらいる)が狙われるようになってきたのである。

数が少なければ害はないけど、数が増えると、他の生態系に悪影響を及ぼしてしまう。だから増えたものを何らかの方法で回収することが必要になる。そして、もともとの原因は、人間の大量消費型のライフスタイル、つまり大量の排出物にある。なんだか地球温暖化と同じような構図である。

ちなみに、このカラスのトラップは公園の中でも、とても目につきにくい場所にある。樹木の剪定枝などやゴミなどを、いったん集めて置く場所のさらに奥にある。公園はとても広いから、トラップが置かれていることを知らない人の方が圧倒的に多いだろう。トラップが置かれていること、その原因が一人ひとりの生活にあること、つかまったカラスは処分されること。いずれも都合のいい真実ではなく、むしろ不都合な真実なのだろう。しかし厳しい真実を直視することは大切だと思う。

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2007年2月10日 (土)

都会の不法耕作に思うこと

Dsc03150埼玉県のM公園。かなり広い公園の隅っこで短い畝を見つけた。目立たぬように短く、そして土もそれほど盛られていない。ダイコンやらコカブが植えられていた。この畑、どうやら不法耕作であるらしい。公園は公共空間であるから、個人が勝手に使ってはいけない。ところが必ずしも公園は有効に使われてはおらず、遊休地化している場所もかなりある。ならば食糧自給率を高めるために、農作物を育てよう。心情的にはよくわかる。

不法耕作といえば、かつて江戸川区の新中川沿いは壮観だった。どういった暗黙のルールがあったのか知らないが、アバンギャルドでワイルドな菜園は河川敷いっぱいに連続していた。とても楽しく、人間の生きる力、しぶとさを感じさせてくれる空間だった。僕も知人も、ある区画(?)でパーマカルチャーを実践していた。ところが数年前に当局の力によって、強制撤去させられた。たしかに当局の意向も理解できる。いざという時に、本来はオープンスペースである場所に人が入れないと、困ったことになる。

農作物を育てるということは、食べ物を育てることであると同時に、自分を表現する行為でもあり、成果を他者と分かち合う行為でもあるのだろう。僕もグループで有機農業の真似事をしているのだけれども、自分が食べることよりも、まず身近な人へお裾分けを確保することに大きな重きを置いている人もいる。ただし都会では農地が限られていて、市民農園の数も限られている。そのために不法耕作を行う人も出現することになる。

個人的な意見であるけれども、現在の公園の多くは「見る公園」になっていると思う。もっと自然の恵みを実感できる公園にすべきではないだろうか。例えば東京都心の日比谷公園だって、エディブル化(食べれる化)してゆく方が楽しいと思う。きっと担い手はたくさんいるだろう。

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2007年2月 9日 (金)

トランジットモールの気持ちよさ

つい先日(2月7日)に国土交通省から地域公共交通の改善に関するンケート調査の結果が発表された。公費を投入して公共交通を整備すべきか、バス専用レーンを設けてバスの運行の円滑化をはかるべきか、などをインターネット上でモニタリングした調査である。アンケートでの回答と実態には乖離はあるが、おおむね公共交通の改善には好意的であるようだ。しかし年代や地域によっては公共交通よりも、やはりマイカーの方を強く支持する傾向がある。

00_5例えば「中心市街地における自動車の乗り入れ規制(トランジットモールなど)」ついては、30~40歳代では、むしろ導入には否定的である。小さい子供がいると、マイカーを使う方が何かと便利である。それに子供が病気になったりしたら、やはりクルマは欠かせない。しかし最近では子育て応援タクシーと呼ばれるサービスも出てきているし、出産ないし育児時にタクシー券を支給する自治体(東京都中央区など)がある。いざというときにはタクシーを使ってもらうことにして、中心市街地への自家用車(マイカー)乗り入れ規制はぜひ進めて欲しいと思う。だって、その方が街は気持ちがいいから。

Dsc00776トランジットモール。中心市街地で自家用車の乗り入れを制限し、道路を歩行者や公共交通に開放することで、街の賑わいを出すというものである。日本では非常に限られているが、海外では数多くの導入事例がある。実際に訪れてみると、とても快適である。しかし日本では期間を限定した社会実験に留まっているケースが多い。よく耳にするのは、自家用車の乗り入れ制限によって来店者の減少する恐れがある。そう地元の商業者が懸念するからだという。たしかに、そういった側面もあるかもしれない。

Dsc00745「トランジットモール」「欧米化!」。何が何でも欧米の真似をすれば、いいというものではない。しかし学ぶことは大切である。思わず歩きたくなる楽しくなる街、そこにいるだけでワクワク楽しい空間ができ、ちゃんと公共交通が確保されていたら、人は集まってくるはずである。特段の目的がなくても、ぶらぶらと遊歩できる街をつくる。そんなイメージをしっかりと伝えることができれば、上記のアンケート結果に対する30~40歳代の回答結果も変わっていたような気がする。

写真はいずれもスペインのビルバオで撮ったもの。下の写真はメインストリートでオープンカフェ、写真右上に見えるのは、マイカー利用抑制を呼びかける青いフラッグ(旗)。

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2007年2月 7日 (水)

ご近所への介入

都市化とともにコミュニティの人間関係が希薄になってきたと言われている。全国的に町内会や自治会への加入率はずっと低下傾向にあり、最近では5割を割り込んでいるところもある。大震災を経験した兵庫県では、さすがに自主防災組織は増えているけれども、全国的には微増に留まっている。そして消防団員数も長期的な減少傾向にある。

しかし急激に増えている地縁的な活動がある。それは自主防犯組織で、2006年6月末時点での自主防犯活動を行う団体は、26,051団体(構成員165万人)で、これは2003年末の3,056団体の約6倍にも上っている(警察庁データ)。これらの団体の主な活動は「徒歩による防犯パトロール」や「通学路における子どもの保護・誘導」で、活動頻度も増加する傾向にある。

たしかに防犯活動は重要なのだろう。しかし、その他の自主活動や地域活動がどちらかといえば沈滞気味なのに、防犯活動ばかり急激に活発化するのは、何だか居心地が悪い。かえって「この街には危険が潜んでいます」と宣言するようなものである。この自主防犯組織の急激な増加の背景には、当局などからの働きかけがあるようだ。コミュニティへの権力の介入とも言えなくもない。はたして本当の「自主」防犯組織といえるのか。

Dsc03011東京都荒川区では2006年から「おせっかいおじさん・おばさん運動」を行っているそうだ。他人に余計な世話をやくという、おせっかいは屋外で行われることが多いのだろう。まさか家まで押しかけると、さすがに度が過ぎる。学校帰りの子供たちに声をかける。公園で子供を遊ばせる若い母親にアドバイスする。鬱陶しさもあるけれど「節度ある おせっかい(自己撞着してるな)」が広がれば、街の中で人の目を確保することができる。街の防犯にも結びつく。

価値観が進む時代であり、それぞれの関心に基づいて、自律的な生き方をすることが大切だと言われている。しかし、ときに介入は必要なのだろう。どこまでを許容すべきなのだろうか。まずは一人ひとりの自覚が大切だろう。

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2007年1月28日 (日)

またまた暖冬の実感

相変わらず暖かい冬が続いている。この前の土曜日は3月下旬なみの暖かさだったという。我が家の近所には、都立水元公園というとても広い公園があるが、たくさんの人がピクニックがてら遊びに来ていた。寒くないのは有り難いけれども、やはり冬は冬らしい方がいいのだろう。思わぬところで影響が出てくる。

Dsc03148_1例えばマツ枯れの拡大。冬が暖かくなり、マツノザイセンチュウが冬を越せる地域が広がり、被害が大きくなってゆくことが懸念されている。これまでマツ枯れの見られなかった高地や東北地方でも被害が出始めている。そして、つい最近、水元公園でマツノザイセンチュウの抵抗性を持つアカマツが植えられたようである。「茨城(水戸)19号」というらしい。ちょうど今日、水元公園に行ったときに気がついた。

ただし、この看板だけを見ると、単にマツノザイセンチュウが害虫であるという印象を受けてしまう。温暖化によってマツノザイセンチュウの生息エリアが拡大しているということであれば、人間の側にも反省すべき点はある。そのことも併せて掲示したらいいのになあ、と思ってしまう。

77そして近所の「いりや公園」。なんとサクラが開花していた。この公園のサクラは早咲きの種類だった思うが、これまでに1月に開花したのは見たことがない。正確に記憶しているわけではないけれど、おそらく、これまでで最速の開花のような気がする。さすがに驚いた。地球の未来はどうなってゆくのだろう。温暖化抑止については、明るいニュースより、悲観的な観測の方がずっと多い。自分ができることは、しているつもりであるけれど……。

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2006年12月17日 (日)

キッザニアの温室

今秋オープンしたばかりのキッザニア東京。子供向けのテーマパーク。いろいろなパビリオンで子供たちが擬似労働をすることで、キッゾという通貨を稼ぐことができる。そして稼いだキッゾでサービスを受けたり、ものを買ったり、あるいは銀行に預金することもできる。大人は園内には入れても、パビリオンに入れるのは子供だけ。子供たちだけで自由に職業体験ができるというコンセプトの遊園地。対象年齢は2~15歳。

個人的な趣味からは外れているけれど、社会のトレンドを学ぶために、嫌がる愚娘を連れてキッザニアに行ってきた。予約を入れたのは12月初旬。予約可能な日はごく一部に限られていて、次の予約できるのは来年4月中旬以降である。異常なほどに、すごい人気である。

キッザニアの印象をひと言で言うならば、ママゴト遊びを本格化した遊園地という感じである。普段は大人たちが行っている約70の仕事が簡略化されていて、それを子供たちが体験することができる。12歳の愚娘に言わすと「子供だまし。世の中のそんなに甘くはない・・・・」。

Dsc01462_1キッザニアは満員で、たいていのパビリオンは混みあっているけれども、人気の少ないところもある。例えば、温室のような場所。地図上の表記がないので正式名称はわからないが、外観から判断する限り、温室だと思う。とても不人気なスポットらしく、ほとんど人の気配がなかった。しかし、それもいたしかたないだろう。砂箱があって、プラスチック製の野菜の玩具があるだけ。リアリティがまったくない。

訪れたことはないけれど、フロリダのディズニーランドでは園内でハーブ類を育てる花壇や温室があって、レストランでも使っているそうだ。どうせ照明を灯しているわけだし、キッザニアでも本当の植物を植えてみたらどうなのだろう。虚構の世界のつくるなら、とことんトライすべきだと思う。

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2006年11月27日 (月)

あなたを愛しています

Dsc01345晩秋の上野公園、ある宗教団体が路上生活者を対象にした集会を行っていた。三人のリーダーたちが力強く神の教えを説いている。そして説教が終ると、合唱が始まる。「あなたを愛しています。あなたを愛しています」。大きな歌声がスピーカーから流れてくる。一部の人は両手を上げて歌っているけれども、ほとんどの人たちは肩を落とし、うつむいている。花より団子。参加者たちの最大の関心事は炊き出しにあるのだろうか。合唱が終わると、温かいスープとバナナが配られる。

まったくの偶然で、外国から日本に布教にやって来た女性の話を聞く機会があった。彼女によると「路上生活者の人たちは、とても真摯に私たちの話を聞いてくれる」という。疑問は感じたけれども、何の反論もしなかった。僕は彼女たちと違って、路上生活者に対して何ら支援を行っていない。議論ができる立場にはないし、材料ももっていない。

路上生活者がとくに多いのが東京や大阪などの大都会であり、そして都会では失業率、生活保護を受ける世帯の割合も高い。都会は豊かな場所であるように見えて、じつはそうではない。いっぽう農業が盛んな地域では失業率も低く、被非保護率も低い。例外は北海道と沖縄で、市場を指向した大規模農業を行うようになり、観光に依存するようになると失業率は高くなる。

ある高名な宗教学者が「宗教は人を救うためにあるものではない。救われない人々いるたからこそ宗教がある」と論じていた。日本だけではなく、世界的な都市化が進む傾向にある。格差論が注目を集めているけれど、市場経済の中心地である都会では、ひと握り勝ち組とそうでない人々に二分されてゆく。すると何かに救いを求めようとする人々も増えるのかもしれない。最近、スピリチュアリティがちょっとしたブームであるけれども、都市化や市場経済の浸透とも無縁ではないだろう。ちゃんと先祖を祀りなさい(愛しなさい)。あなたは愛される存在である・・・・。

世界のエコビレッジをネットワークするGlobal Eco-village Networkでは、エコビレッジの条件のひとつにスピリチュアリティを掲げている。しかしエコビレッジの追求するスピリチュアリティは、都会の人々が求めるスピリチュアリティとは少し様相がことなっていると思う。大自然のなかでのスピリチュアリティ。それは大きな世界のなかで生かされている感覚ではないだろうか。あなたを愛しています。しかし私を生かしてくれる世界も愛しています。

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2006年11月 6日 (月)

墓場のランチ

東京港区虎ノ門、職場のすぐ近所に光明寺という寺院がある。この光明寺では約1年前から本堂前の2階テラスにテーブルや椅子、ソファなどを置いて、周辺の人々に開放している。もちろん入場無料で、無料LANも使えるし、本や雑誌も置いてある。文字通り、本堂の庇を貸す状態になっており、多数の墓場を望むテラスは、ランチタイムを中心にサラリーマンやOLたちの憩いの場となっている。「裸のランチ(クローネンバーグの小説)」ならぬ「墓場のランチ」である。

最近、東京では再開発が相次いでいて、大きな建物が建てられると必ず公開空地が設けられ、緑が配置されることが多い。しかし、ゆっくりと休めるような場所はほとんどない。休もうと思ったら、お金を払って喫茶店に入るしかない。公園も限られているし、公園には庇はない。

周囲に対して気配りをする。それはエコのひとつの条件だと思う。他者に庇を貸し合う建物づくり、ないしは関係づくり。それが連続してゆけば、日本のマチやムラも気持ちのいい場所になってゆくだろう。

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Dsc02907

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2006年11月 3日 (金)

ロハスな研究機関、ロハスな関係

3年前に開設された千葉大学環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター。常磐新線の柏の葉キャンパス駅の駅前にある。農業や園芸、東洋医学、スポーツ、福祉、教育学など、学部横断的な研究を行うことで、人がより健康に、生きがいを持って生きてゆくための総合的な環境づくりを研究することを目的としている。広大な農場のなかには東洋医学の診療所もあるし、広場や直売所もある。まさにロハスな空間である。

ちょうど今日、センター祭があったので、行ってきた。本学キャンパスの学園祭とは違って、小ぶりな催しだけれども、そのぶん和気あいあいとした温かさがあった。そこでチュチュ(某教授のニックネーム)に会った。チュチュは、このセンターでコミュニケーションや健康をテーマとしたワークショップを開催していて、僕もときどき参加している。ワークショップでのルールのひとつが参加者同士ニックネームで呼び合うことである。

「zenさん。ココさんのことを憶えていますか。ワークショップに参加していた70歳代半ばの女性ですが」
「白髪の女の方でしたよね」
「そうです。彼女は一人暮らしなんですが、じつは重い病気であることがわかって、生きる気力をなくして、人生を終えるつもりでいらしゃったみたいです」
「そうですか・・・・」
僕が最後にワークショップに参加したのは8月下旬で、暑気払いのバーベキューもした。そのときココさんは元気そうだった。

「それでzenさん。サヤさんって憶えていますか?」
「たしかPT(理学療法士)の女性ですよね」
「そう。そのサヤさんがココさんのお見舞いに行って、また他の参加者も行って、ココさんは生きる気力を取り戻したそうです」
「すごいですね。それにしても本名は名乗っていないはずなのに、どうしてココさんの住所や病状がワークショップの参加者にわかったのですか?」
「彼女たちのなかで自然とネットワークができていったのでしょうね」

月に1回程度の小さなワークショップである。参加者のほとんどは、それまで何の関係もなかった人たちである。しかし体験を共有することで、互いを生活や健康を気づかう関係、いわばロハスな関係がつくられた。学んだことが実地で生かされた。

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Dsc02889

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2006年10月31日 (火)

撮れない絶景

熊本県高森町の草部吉見神社(前日記事のNさんの家の近所)。「日本三大下り宮」のひとつで、普通の神社とは違って、長い参道を降りたところに境内があり、そこに社殿が建てられている。それだけでも十分に珍しいのだが、境内からさらに下に、かなり大きな窪んだ空間がある。小さな泉から水が湧き、湧水は池へと流れ込んでゆく。周囲の斜面は急峻であるけれども、太くて大きな木々がそびえ立っている。深い緑の間からは光が差し込んでくる。

「あれれ・・・」。何か力のようなものが感じられる。参道の階段を降りてゆくと、徐々に強くなってきた。そして窪みの底に辿り着いたときに、それが確実に感じられた。ちょうどアメリカ人の作家が同行していたのだけれども、彼の方がしっかりと感じたようだ。彼はまさに自給自足の生活をしているから、自然に敏感だったのかもしれない。もしかすると草部吉見神社は、いわゆるヒーリングスポットなのかもしれない。それとも、たまたま何かのタイミングに遭遇したのだろうか。

どちらかといえば僕は敏感な方ではないから、いわゆるヒーリングスポットと呼ばれる場所に行っても、何も感じないことがほとんどである。しかし希に感じることがある。ところが、そんなときに限って記録に残せないことが多い。せっかく草部吉見神社やその周辺の写真をデジタルカメラで撮影したのに、どうしたことかデータがすべて消えていた。ショックを受ける一方、「まあ、いいや」と自分を慰めた。記録よりも実体験と思い出が大切だ。

それにしても残念、草部吉見神社の写真。そして、また思い出してきた。アリゾナの大地に沈んでゆく大きな夕日。ハワイ島の端から端までかかっていた半円形の虹。冬の北アルプスの山頂付近の風景。天の川が広がる夜空。いずれでも撮影するのを忘れるか、撮影ミスを犯している。

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2006年10月30日 (月)

幻想の光

知人のひとりNさん。もとはデザイナーだったけれど、いまは阿蘇山麓の古民家に住んで芸術活動にいそしんでいる。彼の作品はもっぱら竹(モウソウチク)を使ったものである。

竹の材質部を削って薄くしてゆくと、光を通すようになる。微妙なサジ加減で削ってゆき、中に白熱電球を入れると、光のアート作品となる。まさに幻想的。竹取物語のお爺さんが竹林に入って、光る竹を見つけたときは、こんな感じだったのかもしれない(写真撮影がイマイチ、実際はもっとオレンジっぽい色)。

それほど高い金額でないので、僕はこれまでにNさんの作品を2つ購入し、1本はプレゼントに使い、1本は自宅に置いている。しかし残念ながら、東京下町の狭苦しい我が家には、もうひとつ似合わない。アート作品には、それなりの空間が必要である。いずれ相応しい人を見つけてプレゼントしようと思っている。誰かいないかなあ・・・・。

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2006年10月29日 (日)

ハードなエコビレッジ国際会議

東京で「エコビレッジ国際会議」というイベントが開催された。28,29日の二日間のうち29日の方に参加してきた。28日は海外事例の報告が中心だったが、29日の方が日本国内の事例報告を中心にプログラムが構成されていた。

場所は代官山、二百席余りの客席はほぼ満員。主催者側の集客が上手なのか、それともエコビレッジに対する関心が高いのか。どちかかというと前者のような気がする。若い参加者が多かったし、茶髪の人も少なかった。また水筒持参の参加者も多かった。エコに高い関心を持つ人たちを効果的に集めることができた。そういうことだろう。

さてイベントの内容はというと、ハードに偏り過ぎていたような気がする。エコビレッジ国際会議というよりも、エコビルド会議のような印象さえ受けた。もちろん建物や敷地のデザインが優れたものであれば、それが人々の意識に働きかけ、そして行動を変えることもできる。人々を気持ちよくすることもできる。だからハードが重要なのは当然のことだと思う。

エコはあくまで手段であって、目的は人間がよりよく生きてゆくことである。ところが「エコエコ・・」、それもハードのことばかりをプレゼンされると、聞く方もウンザリ。ずっと前から、ハードからソフトの時代になったと言われている。それは、とくにエコビレッジに当てはまることだと思う。日本のエコビレッジ・ムーブメントは歴史が浅いために、いまだにハード先行で考えないといけないのだろうか。それも既存空間のリニューアルではなく、新規開発という形で・・・・。がっかりした日曜日となったのも事実である。

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2006年10月27日 (金)

採れたてデザート「ぶどうの木」

石川県の金沢市に行って来た。本当は一泊して温泉に浸かって、美味しい魚でも食べながら、ゆっくりしたかったけれども日帰り出張。楽しみは、またの機会に取っておこう。

まったく出張の目的とは関係なかったけれども、繁華街の真ん中に面白いカフェを見つけたので入ってみた。店舗前面がブドウの木に覆われていて、収穫を直前に控えたブドウがたわわに実っている。カフェの名前は「ぶどうの木」。サービスしてくれたウェイターさんは、おそらく20歳半ばだったと思う。彼に質問してみた。
「店の前になっているブドウはいつ頃に収穫して、どう使うのですか?」
「もう一部は収穫しています。ブドウは店のデザートの材料に使います」
「デザートってどんなデザート」
「まだメニューには載せていませんが、もう少ししたらメニューとして登場します」

ここで引き下がるわけにはいかない。東京から、そう金沢へ出かけることはない。駄目モトで頼んでみた。
「じゃあ、そのデザートお願いできますか?」
「かしこまりました。しばらくお待ちください」

彼はまずは紅茶を運んできた。その後で、いそいそと店の前に出て、ブドウの木の根元近くから2枚ほど葉っぱをちぎっていく。どんなデザートが出てくるのか、ワクワクして待っていた。そして運ばれてきた。四角い真っ白の皿には、おおぶりのブドウが一房。紫のブドウの下にはグリーンの葉が敷かれている。とても色どりが鮮やか。冷えたブドウは甘くて、美味しかった。

美味しいブドウを育てるためには、気候の変化を見ながら、ブドウの成育状況を確かめながら臨機応変に対応してゆくことが必要になる。美味しいサービスも臨機応変さが大切になるのだと思う。

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Dsc02821

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2006年10月20日 (金)

もう正月ゥ?

田んぼ倶楽部という市民グループに参加して、有機農業の真似事を行っている。場所は千葉県流山市の新川耕地、僕の住む葛飾区からは少し遠いけれども、サイクリングがてら自転車で通っている。僕たちの面倒を見てくれているのは、有機農業と自然食品店を営むアチさんである。40歳代後半の男性で、とても気さくな人である。

それで、今日の今日まで知らなかったのだが、なんとアチさんは「ブログ帰農人」というブログを書いているではないか。農業では仕事は山ほどあるし、アチさんは複数の市民グループの面倒を見ているから多忙を極めている。それに外見は大雑把そうに見えるから、ブログなんて書いているとは思わなかった・・・・。スミマセン、たいへん失礼しました。僕の認識不足でした。考えてみれば、有機農業を営むには細心の注意が必要だ。きっとアチさんは素人相手には大らかに振る舞っているのだろう。

アチさんのブログの最新日記によると、もう正月の準備に入ったそうだ。雨や風が冷たくなってくる。野外での作業で冷えた身体を暖めるストーブも必要になってくる。冬に向かえば、収穫物も少なくなるから、何らかの方法で農作物を保存することも重要だ。忙しい人ほど、段取りよく支度をしてゆかなければならない。

さて僕が今日、仕事に出かけたときの服装といえば、いまだに夏物のスーツである。10月中旬になったけれども、都会の人工的な環境はまだまだ暖かい。通勤電車が混雑すると、冷房が入ることもある。自然とともに暮らすアチさんとは大違い。改めて考えさせられてしまう。

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2006年10月16日 (月)

拾った命

新たな家族がやってきた。といっても人間ではなく、我が家に子犬がやってきたのである。生後約3ケ月の雑種犬、行き場のない犬たちの里親を探す市民団体から譲り受けたのである。ちなみに犬を飼うのは二度目で、以前は盲導犬候補生を預かるパピーウォーカーとしてラブラドール・レトリーバーを育てたことがある。その後、めでたく盲導犬になった。

我が家にやってきた子犬は、処分場に連れられてきたそうである。ある飼い犬が子供を生んだ。しかし、育てることができないと判断した飼い主は「処分してください」と処分場に連れてきたという。処分場の職員は「この子犬なら、新たな飼い主が見つかるかもしれない・・・・」と考えて、市民団体に紹介したのである。そして紆余曲折を経て、我が家に来ることになった。

少し前に、女性作家の子猫殺しが話題になり、彼女への非難も相次いだ。しかし彼女のように死に向き合うことなく、動物を殺すことさえも他人任せにする人がいるのも事実である。また最近では広島県で廃園になったペットパークで放置された約500頭の犬たちがニュースにもなったけれども、日本では毎年40~50万頭ものペットたちが処分されている。センセーショナルなマスコミ報道よりも、当たり前の日常に目を向けることも大切だと思う。

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2006年9月15日 (金)

健康都市という考え方

このところ健康ということをセールスポイントとする街区開発が増えてきている。例えば、主なところでは以下のような取り組みがある。この他にも千葉県市川市のように「健康都市宣言」を行う自治体は少なくない。
彩都(大阪府、彩都健康都市構想)
照葉のまち(福岡県、ふくおか健康未来都市構想)
柏の葉タウン(千葉県、心と体の健康、環境への配慮)
花吉野ガーデンヒルズ(奈良県、ヘルシーハビテーション)

物質的に豊かになったために、より高い次元の価値が求められるようになってきた。急速に高齢化が進んでゆくために、健康がより大切になってきた。いろいろな背景があるのだろう。ただし裏を返せば、社会全般が不健康気味であるために、健康ということがセールスポイントになるのかもしれない。

これらの健康的な街に共通することとして、以下のような特徴をあげることができる。
・ 緑地や菜園、植栽を多く確保する工夫がなされている。
・ 視線が通りやすく開放的、公園のような街区形成がされている。
・ 変化に富んだランドスケープ(格子状ではない)。
・ 環境共生技術も導入されことが多い。
・ コミュニティ活動を誘発するための仕組みも前もって用意されている。
・ 「新しいライフスタイルの創造」がうたわれている。

いずれも、いいことだと思う。ただ残念なのはモビリティ(移動)の確保について、現状では、あまり配慮が払われていない。クルマ利用を前提とした街づくりになっていることが多い。とはいえ、まだ始まったばかりである。だから今後を期待したい。写真は福岡市の「照葉のまち」。住宅地の街路は曲がりくねっている。

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Dsc02588

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2006年9月12日 (火)

生命の都市

昨年に街開きをした大阪府箕面市と茨木市にまたがるニュータウン「彩都」。もともとのコンセプトが「新しい生命都市」。絶版になったけれども「新しい生命の都市をめざして」というコンセプトブックさえある。ライフサイエンス関連の研究施設を中核としながらも、生命の営みを根づいた街。未来を切り開く街をつくろうという試みである。 

計画地のなかには小さな里山や農地が残されている(もっとも街区の周囲は農地である)。里山や農業を体験するためにプログラムも用意されている。一部ではあるけれども、太陽エネルギーや木質バイオマス・エネルギー(ペレットストーブの設置)の利用も行われているし、コージェネレーションやカーシェアリングのシステムもある。雨水利用や屋上緑化も。写真に映っているマンションのぺデストリアンデッキの中庭にはキッチンガーデンも設けられている。写真前方はパッシブソーラーによる住宅である。

おそらく現状で実用可能なレベルにある技術のほとんどは使われているのだろう。そして念入りに計画され、

しっかりとつくり込まれた街である。まだ街区の全体が出来てはいないけれども、おおよその完成形は予想がつく。つくり過ぎてしまうと、その後の成長の余地をなくしてしまう。商品としての街である。

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Dsc02178

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2006年9月 4日 (月)

モスバーガーがなくなった

チェーン店のなかではモスバーガーは、他より非常に美味しいらしい(僕はハンバーガーはあまり食べないので、よくわからない)。そのために立地が少々悪くても、わざわざ顧客がやってくる。マックが駅前にあるとしたら、モスバーガーは駅から二筋あるいは三筋離れた場所にある。

家の近くにあったモスバーガーが店を閉めて改装工事に入った。てっきりリニューアル・オープンするかと思っていたら、携帯ショップに変わってしまった。ほとんど利用することのなかったモスバーガーだけど、少し残念である。というのは、その店舗を設計したのは、僕が尊敬する建築家Hさんだったからである。

Hさんは大学で建築を学び(本人いわく、熱心でなかった)、卒業後アメリカのアーコサンティで約1年間活動した。アーコサンティはセルフビルドで都市をつくろうというプロジェクトで、世界中からの参加者がある。そしてHさんは現在、自然素材を生かした建築設計に携わっている。パーマカルチャーやエコビレッジに対する理解も深い。

そんなHさんであるけれども、たまたまモスバーガーの創業者と高校時代の同級生だった。同級生からの依頼を気軽に引き受けてモスバーガーの店舗設計をすることになった。まさかモスバーガーがそんなに大きく成長するとは思わなかったそうだ。いったん引き受けた仕事を断るわけにはいかず、Hさんは約700店舗の店舗を設計したという。そして、さすがに「これは自分の性に合った仕事ではない・・・・」と考えて、モスバーガーの仕事から手を引いた。

Hさんは言う。「いまの仕事はぜんぜん儲からない。しかし儲からない仕事ができるのも、あんな時代があったから・・・・」。いろんな経験は大切である。違うことをするから視野が開けてくる。

 

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2006年9月 2日 (土)

稲刈りは延期

グループで水田と畑を一反ずつを借りて、農業の真似事を行っている。場所は千葉県流山市で、参加者は東京都内在住。あらかじめ年間計画を立て、作業分担を決めて、週末ごとに集まっている。もともとの計画では、この週末に稲刈りを行う予定だった。ところが天候不順のために、延期を余儀なくされた。自然が相手だから、これは仕方がない。

ところで、関東近郊でもっとも早く稲刈りが行われたのは東京の大手町だろう。東京駅近くのオフィスビルの地下2階、人材派遣会社パソナによる「パソナO2」。新規就農支援を目的とした農業のショールームのような空間であるが、8月24日に同社の株主総会に合わせて稲刈りを行ったそうだ。

パソナO2の地下空間では、イネの他にトマトやハーブ、葉物、花卉などが育てられている。太陽の光の届かない場所で植物を育てるのは、いくぶん違和感を感じてしまうが、農業の裾野を拡大するという点では、悪くないアイデアとも言えるだろう。どう感じるかは個人の自由だし、百聞は一見るに如かずだから、一回は行ってみる価値はあると思う(写真は田植え直後に撮ったもの)。

もう1つの可能性はフォー。オフィス空間を農的にデザインできるのではないだろうか。観葉植物ではなく、ハーブなどの有用植物を配置してゆく。量は少なくても、オフィスのなかで収穫できるようにする。SOHOの次は、FO(Farm Office)。フォー。オヤジギャグ。

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2006年8月25日 (金)

クルマは元凶?

ある講演会で金沢市の山出 保市長の話を聞いた。75歳の好々爺。親近感がありながらも、しっかりとした語り口。なかなか面白かった。「街をダメにしたのはクルマだ」「まだ市民からは理解してもらいないが、クルマをいじめていきたと思っている」「説明責任ではなく、市民を諭してゆかなければならない」。どうやってクルマ依存から脱却するか、市民グループと話し合っているという。

クルマ依存の交通のあり方を見直そうという機運は、いくぶん高まってきた。国土交通省では2004年度から、環境的に持続可能な交通(EST,Environmentally Sustainable Transport)のモデル事業を行っているし、ちょうど今日、交通エコロジー・モビリティ財団からESTメールマガジンが発行される予定である。うちの近所でもESTのモデル事業が行われている。

埼玉県三郷市。常磐新線(つくばエクスプレス)の開業に合わせて、バスのネットワーク網を整備し、公共交通利用を促進しようという取り組みである。このEST事業のなかで新設されたバス路線が「ピアラシティ行き」である。百聞は一見にしかず。さっそく日曜日に行ってみた(葛飾区から自転車で)。

ピアラシティは郊外型の大規模ショッピングセンターで、スーパーマーケット、ホームセンター、シネマコンプレックスなどで構成されている。駐車場は3000台。停留場にはバスは来るけど、利用者はごく少数である。とても広い店であるもかかわらず、人でごったがえし、レストランやフードコートには長蛇の列。あまりの人出に気分が悪くなった。とても持続可能な風景であるとは思われない。

例えば、新三郷駅東口発→ピアラシティ行のバスは1日に9便しかない(8時~18時頃)。いっぽうクルマの方は、スーパーマーケットの営業時間の22時まで、のべつまくなしにやってくる。たくさんの自動車交通を発生させる一方で、バスはおまけ。それでも「環境的に持続可能??」。役所の思考回路はどうなっているのだろう。もちろん金沢市のことじゃないですよ・・・・。

補足: 現場を見たわけではないが、金沢市でも平成17年度にESTモデル事業を実施していたらしい。いつか時間をとって、訪ねてみたい。

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2006年8月24日 (木)

都市再生とエコビレッジ

およそ百年前、イギリスでE.ハワードが田園都市という都市形態を提唱した。自然と共生し、そこで人々がコミュニティを形成し、それぞれが生き生きと暮らす都市。日本の郊外開発も田園都市構想に少なからぬ影響を受けてきた。

この田園都市の大きな意義のひとつが、田園地帯を都市化してゆくことにあったのだと思う。そして産業化とともに、都市的なライフスタイルが広がっていった。何をもって都市の定義とするかは明確ではないが、いまや日本では過半の人が都市に住んでいる。世界的にみても、2030年には6割の人口が都市に住むようになるという。

だからこそ逆の可能性も出てくる。20世紀が田園地帯を都市化してきた時代であったとしたら、21世紀は都市空間を田園化してゆく時代にできるはずだと思う。都市のなかにエコビレッジをつくってゆくことは十分にできるだろう。すでに予兆はある。例えばアメリカ、ロサンゼルスのエコビレッジは都心部にある。キューバでは都市のなかで有機農業が進められている。東京港区の都心にも野菜畑をつくることができる。

おそらく都市化は避けられないトレンドだと思う。だから都市のなかでエコビレッジを考えみることは大きな意味があると思う。

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2006年8月21日 (月)

都市を変える1つの処方

今年のゴールデンウィークに開業した富山ライトレール。8キロ足らずの路線を13の駅で結ぶ、短めの移動に対応した都市型の鉄道である。長い距離を走る大型の鉄道とは違って、やや小ぶりの車両は、街に住む人々の日常の足になる。ライトレール(LRT)とは、単に車両のことだけをさすのではなく、運行面でのソフト、他の交通機関との連携など、システム全体のことをさすそうだ。そのような視点から見ると、富山ライトレールは日本初の導入例だという。例えば富山ライトレールでは、以下のような取り組みがなされている。

思い切った運賃設定 : 運行の上下分割方式、行政支援などによって、かなり低価格の運賃が実現されている。一律料金で大人200円、子供100円。また平日昼間や休日では、半額となる。近傍を走るJRや私鉄(富山地方鉄道)と比較すると、まさに格安料金である。

利便性を重視した路線構成 : 地方都市でありながら、早朝夜間を除き、15分間間隔で運行されている。またライトレールを利用する乗客を運ぶフィーダーバス路線も設けられ、駅によっては同じホームで、ライトレールとバスの乗り降りができる。

富山ライトレールの当初の計画では、1日当たりの乗員数を3,400人に設定していたそうだ。ところが嬉しい誤算で、1日当たりの乗員数は5,000人を上回っているという(例えば富山県交通政策研究グループが7月に報告書を出している)。マイカーの普及によって、地方では苦戦を強いられる公共交通機関が多いけれど、やり方によっては、大きく伸びる余地があると言えるだろう。

クルマ依存を改め、適切に公共交通を利用し、コンパクトな都市構造をつくる施策の一環として、富山ライトレールは位置づけられている。これが契機となって、環境に配慮した都市のライフスタイルが生まれてきてほしいものである。

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2006年8月15日 (火)

食欲の夏

一般に暑くくなると、食欲が落ちる人たちが多いらしいけれど、地面に近い場所で暮らしている生物たちは、逆に食欲が旺盛になるようだ。我が家の庭先にはミミズを使った生ごみリサイクル・ボックスを置いているが、真夏の分解スピードはとても速い。葉物や果実の皮などは、あっという間に分解されてゆく。

ミミズだけではない。もともとはミミズしか入れていないの、いつの間にやらアリやドビムシ、コナダニなどの小さな虫たちも住み着いている。狭い空間に糸を張っていくるクモもいれば、トカゲもやってくる。このなかでトカゲだけは、フタを開けたときに、あわてて逃げてゆく。なかなか可愛い奴である。

トカゲといばえ、ハワイ島で泊まった「ドラゴン・フライ・ランチ」。ヨガスペースやパーマカルチャー・ガーデンなどを備えたB&B(ベッド・アンド・ブレックファースト)。野趣あふれるツリーハウス。網戸は張っているけれども、ゲコ(トカゲ)が入ってくる。ダイニングでも好き放題に走り回り、卓上のフルーツの上も駆け抜ける。

そのフルーツを手にとって、女主人のバーバラがナイフで切ってくれる。「どうぞ召し上がれ」。日本では考えにくいサービス。とても食欲はそそられない。しかし、これこそ自然との共生か。

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2006年8月 9日 (水)

Web.2.0

最近「ウェブ2.0」という発想が注目を集めているらしい。明確な定義はないけれども、ネット上の不特定多数の人たちを巻き込み、その主体性を引き出して新たな関係やサービス、コンテンツなどを創り出してゆくことらしい。身近なところでいうと、ブログやソーシャルブックマーキング、SNSが当たるらしい。少し前から勉強し始めたところだが、自分にとってどう活用できるのか、まだよくわからない。

難しいことを考える前に、このブログ「エコビレッジへの旅」がサーチエンジンでどのように評価されているのかと思い、「エコビレッジ」というワードで検索してみた。グーグルでは6番目、ヤフーでは21番目、AOLでは3番目に出てくる。この結果は、エコビレッジに関するコンテンツが十分に供給されていないことを示していると思う。それは一般の人々のエコビレッジへの関心の低さとも言えるだろう。海外に比べると、日本ではエコビレッジに対する関心は小さいと、以前から感じていた。

だからウェブ2.0である。ごく小さな塵を集めて、大きなロングテールをつくる。どうやってロングテールにしてゆくか。しばらく、じっくり考えよう。

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