用の美のやすらぎ
京都五条、ほどなく東山の麓という場所に、河井寛次郎記念館がある。大正期から昭和中期にかけて、民芸運動の第一人者として活躍した河井寛次郎。その住居と仕事場を記念館となり、彼が手がけた陶器、彫像、家具などを、彼が過ごした場所のなかで間近に見ることができる。広い敷地内の東側斜面には、陶器を焼くための登り窯も保存されている。
記念館の建物は日本各地の民家を参考に、いまから70年前以上の1937年に設計されたものである。ユカ座とイス座が組み合わさった空間は、いまでも十分に快適である。むしろ生活しやすさを追及し、そして日本の行く末を見通したうえで、日本人にとって普遍的な価値を持つかのようなデザインである。
美しさではなく、使いやすさや楽しさを追求した家具や陶器。しかし、そのなかから美しさが生まれてくる。実用を伴った「用の美」。人が何を美しいと感じるかは多様であり、緊張を伴う美しさがあれば、畏怖を感じさせる美しさもあるだろう。用の美からは、やすらぎが感じられるように思えてくる。
現代的にいうとコモンスペースがあり、客をもてなすための、ちょっとした場所があり、また中庭もある。やすらぎのある場所である。おそらく住居と仕事場には数多くの人々が訪れ、そこで活発な交流が行われていたのだろう。京都市内のお勧めの記念館のひとつである。
人気blogランキングへ ←参考になった場合にクリックをお願いします。リンク先には、エコ関連の面白いブログが多数あります。またコメントも、どうぞお気軽に。
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)




























最近のコメント