やっぱり伸び悩むグリーン電力
東京電力にはグリーン電力基金という制度がある。再生可能エネルギー普及への貢献を希望する顧客が、電気料金とともに毎月、1口500円の寄付をする。すると東京電力が顧客からの寄付金と同額を併せて拠出し、自然エネルギー発電設備の設置者に対して助成する。顧客と電気事業者が一緒になって、自然エネルギーを普及しようという仕組みである。太陽光発電システムは高額であるから、手が届きにくい。ただし1コインなら参加しやすい。グリーン電力の間口を広げるための制度である。
このグリーン電力基金の事業報告書は、毎年この時期に送られてくる。つい先日、平成19年度の報告書が送られてきた。それによると平成20年3月末時点での参加口数は18,455口で、昨年から5.5%の減少となっている。2004年に21,000口を超えてから、3年連続の減少である。なお2万という数字は、東京電力のサービスエリア内の電灯口数の約0.1%でしかない。いずれにしてもグリーン電力は大きく支持されているとは言いがたい状況にある。
グリーン電力基金を管理運営するのは、GIAC(広域関東圏産業活性化センター)という財団法人で、伸び悩みの状況を改善しようと、昨年度にアンケート調査を行ったそうだ。対象は、会員と退会した元・会員から抽出した約1,500名で、回答率は40%程度。グリーン電力基金の満足度については、「満足」「やや満足」が6割を占めている。ただし「会員の3分の2が何らかの不満や改善要望を持っている」という結果が得られたそうだ。不満ならびに改善要望としては、以下の5つが示されている。
1) 知名度が低すぎる。もっとPRを!
2) 社会貢献の実感が持てない
3) 自分の街の施設に助成してほしい
4) 会員に対するフィードバックを充実させてほしい
5) 金額・支払い方法を多様化してほしい
はたして、そうなのだろうか。グリーン電力基金が伸び悩んでいるのは、会員になっても、直接的なメリットがないことが大きな理由でないろうか。この基金に寄付しても、所得税額は控除されない。つまりは会員の善意のみによって成立する仕組みでる。経済的インセンティブがほとんどないことが、伸び悩みの大きな理由ではないだろうか。
ともあれ、アンケート結果を基にして、会員増員に向けた取り組みが行われるらしい。そして今年度からの新たな取り組みのひとつが会員証の発行である。昨年までは、玄関先に張る丸いシール(写真の左側)だけだったが、今年からはプラスチックカードの会員証(写真の右側)が送られてきた。これは、上記の「4)会員に対するフィードバックを充実させてほしい」という要望に対応し、つくったものだそうだ。プラスチックのカードを送ることが、フィードバックになるのだろうか? すっきりと納得できない。かなり無理があるなあ、と思ってしまう。
効果が上がりそうな対策が見つからなければ、しばらく保留にしておくのも、ひとつの手段である。どのようなフィードバックがほしいのか。まずは会員に問いかけるべきではないだろうか。カードがほしいという人はごく少数派だと思う。そもそもフィードバックには双方向性が大切なはずである。
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