2008年6月21日 (土)

やっぱり伸び悩むグリーン電力

東京電力にはグリーン電力基金という制度がある。再生可能エネルギー普及への貢献を希望する顧客が、電気料金とともに毎月、1口500円の寄付をする。すると東京電力が顧客からの寄付金と同額を併せて拠出し、自然エネルギー発電設備の設置者に対して助成する。顧客と電気事業者が一緒になって、自然エネルギーを普及しようという仕組みである。太陽光発電システムは高額であるから、手が届きにくい。ただし1コインなら参加しやすい。グリーン電力の間口を広げるための制度である。

このグリーン電力基金の事業報告書は、毎年この時期に送られてくる。つい先日、平成19年度の報告書が送られてきた。それによると平成20年3月末時点での参加口数は18,455口で、昨年から5.5%の減少となっている。2004年に21,000口を超えてから、3年連続の減少である。なお2万という数字は、東京電力のサービスエリア内の電灯口数の約0.1%でしかない。いずれにしてもグリーン電力は大きく支持されているとは言いがたい状況にある。

グリーン電力基金を管理運営するのは、GIAC(広域関東圏産業活性化センター)という財団法人で、伸び悩みの状況を改善しようと、昨年度にアンケート調査を行ったそうだ。対象は、会員と退会した元・会員から抽出した約1,500名で、回答率は40%程度。グリーン電力基金の満足度については、「満足」「やや満足」が6割を占めている。ただし「会員の3分の2が何らかの不満や改善要望を持っている」という結果が得られたそうだ。不満ならびに改善要望としては、以下の5つが示されている。
 1) 知名度が低すぎる。もっとPRを!
 2) 社会貢献の実感が持てない
 3) 自分の街の施設に助成してほしい
 4) 会員に対するフィードバックを充実させてほしい
 5) 金額・支払い方法を多様化してほしい

はたして、そうなのだろうか。グリーン電力基金が伸び悩んでいるのは、会員になっても、直接的なメリットがないことが大きな理由でないろうか。この基金に寄付しても、所得税額は控除されない。つまりは会員の善意のみによって成立する仕組みでる。経済的インセンティブがほとんどないことが、伸び悩みの大きな理由ではないだろうか。

22ともあれ、アンケート結果を基にして、会員増員に向けた取り組みが行われるらしい。そして今年度からの新たな取り組みのひとつが会員証の発行である。昨年までは、玄関先に張る丸いシール(写真の左側)だけだったが、今年からはプラスチックカードの会員証(写真の右側)が送られてきた。これは、上記の「4)会員に対するフィードバックを充実させてほしい」という要望に対応し、つくったものだそうだ。プラスチックのカードを送ることが、フィードバックになるのだろうか? すっきりと納得できない。かなり無理があるなあ、と思ってしまう。

効果が上がりそうな対策が見つからなければ、しばらく保留にしておくのも、ひとつの手段である。どのようなフィードバックがほしいのか。まずは会員に問いかけるべきではないだろうか。カードがほしいという人はごく少数派だと思う。そもそもフィードバックには双方向性が大切なはずである。

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2008年4月11日 (金)

デジタルで見た風車

近所の土手沿いの公園に、再生可能エネルギーによる街灯が建てられた。小さな風車が3機と2枚の太陽光発電パネルのハイブリッド型で、昼間につくった電気をバッテリーに充電し、夜間に使うタイプである。3本の街灯が建てられたのは、どうやら最近のことらしい。「試験中」と書かれた紙が貼られている。それでも強風に吹かれて、風車はシュルシュルシュルゥーと鋭く風を切って回っている。

今日は、雨上がりの晴天だったので、昼間にはそこそこの人通りがある。しかし、この辺りは夜間になれば、ほとんど人通りはないと思う。なので、こんな場所に高価な街頭を設置することには疑問を感じたりする。風車であっても、太陽光発電パネルであっても、製造時には二酸化炭素を排出する。情報発信のための設置であれば、1本でじゅうぶん。

大きな水溜りで子供たちが遊んでいた。かつては雨が降ると、街のいたるところに水溜りがあった。しかし、いまでは道路がすっかり舗装されてしまい、水溜りはめっきり少なくなってきた。子供たちが水溜りで遊ぶことも少なくなった。面白いと思って、カメラを向けてみた。あれっ、と思った。肉眼で見る風車と、デジタルカメラの液晶モニターで見える風車が明らかに違っている。

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とても速く風車は回っているから、肉眼ではブレード(翼)は見えない。一枚の円盤のように見える。しかしデジタルカメラの液晶モニターでは、鮮明ではないものの、ブレードの形はとらえられている。デジタルは、一瞬を切り取ろうとする。いっぽう人間の目(感覚)は連続的な事象をとらえようとする。どちらもそれなりに、すごいと思う。

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2008年2月29日 (金)

電気がつくられる風景

横浜の大さん橋。東京湾に突き出るようにつくられた、南北430メートルの長い桟橋の屋上はオープンスペースになっている。床は木材で、一部には芝生が植えられている。今日のような晴天の日には、格好の散歩コースとなる。海からは暖かい南風が吹いてくる。船が行き交う水面では、きらきらと光が踊っている。開放的な気分になる。

Dsc05273大さん橋の先には、大きな風車「ハマウィング」が立っている。竣工したのはちょうど1年前。僕は電力会社に対して、電気料金の他に、グリーン電力料金として毎月500円支払っている。個人が払うグリーン電力料金が基金となって、この横浜の風車を建設するときにも使われた。だから横浜の風車とは、ほんの少しだけれども、関係がある。いくらか親近感も湧いてくる。

都会に住んでいると、風車を目にする機会は非常に少ない。東京都にも風車はあるけれども、東京湾の埋立地のずっと奥にある。だから例えば、ゆりかもめ(新交通システム)の窓から風車を見ることはできるが、その姿はとても小さい。おそらく東京都内に、発電を行う風車があることを知らない人も方もかなり多いがすである。

しかし横浜では、かなり近い場所から風車を眺めることができる。今日のように風が強いときには、しっかりと回っている。電気がつくられている瞬間を実感できる。いまのところ、横浜港近傍に立っている風車は1機にのみである。この先、風車の数は増えていくのだろうか。頭のなかで思い描いてみると、悪くない風景だと思う。

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2008年2月21日 (木)

破壊されたマイクロ風力発電

先月末に自宅に小さな風車を設置した。雑誌『大人の科学』の付録の小さな風力発電機である。ところがアメリカに1週間ほど出張し、自宅に帰ってきてみると、風車をとりつけたポールは残っているものの、風車そのものが消えている。家人に聞くと、やや強い風が吹いた日に、あえなく風車は吹き飛ばされ、玄関の屋根に墜落したそうだ。ブレードが失われ、無残な形になった胴体部分のみが残されていた。

Dsc05261破損状況から原因を考えてみる。高い場所ほど、風速が早いから、高さ4メートルほどのポールを立てて設置した。ただし、この風車は、どちらかといえば遅い風に対応したタイプであったために、かなりブレード(翼)が大きめだった。だから強い風が吹くと、大きな抵抗を受けてしまう。おそらく下からの風に巻き上げられて、ジョイント部が支柱から抜け外れたのだろう。住宅地では、いろんな建物が建っているから、風向も乱れやすいのだと思う。マイクロ風力発電は、わずか半年間の寿命だった。

しかし発電機は無事で、指で軸を回してみると、発電機に接続されたLEDはちゃんと点滅する。そこで、せっかくの機会だと思うので、今度は自分の手でブレード(翼)をつくってみようと思う。どこかでタケを入手して、薄い2枚翼で、高速回転に耐えうる風車として再生してみよう。

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2008年1月31日 (木)

マイクロ風力発電

学研に『科学』という雑誌がある。『1年生の科学』『2年生の科学』など、小学生の各学年を対象としたラインナップの他に、4年前には『大人の科学』というシリーズも創刊された。創刊されて以降、『大人の科学』は何となく気になっていたものの、実際に購入したのは初めてである。最新号はクリーンエネルギーの特集で、付録としてダウンウィンド型の風力発電キットがついている。

小学生の頃、僕は『科学』を定期購読していた。いまのように、たくさんのオモチャはなかった時代だったので、毎月、『科学』が届くのを楽しみにしていた記憶がある。もちろん、お目当ては雑誌よりも付録の方である。付録の面白さのひとつが、付録を構成する材料にあったのだと思う。いわゆる工作材料で、普通では入手できないようなもの。だから僕は、いったんは説明書通りに付録を組み立ててから、それを分解し、他の使い方を試みていたことが多かったと思う。だって説明書通りに組み立てると、あっというま出来上がってしまう。つくる楽しみが十分とはいえないし、やがて飽きてしまう。天の邪鬼。

6そのことを『大人の科学』の最新号を買って改めて思い出した。風力発電キットは、5分もかからずに組み立てることができる。息を吹きかけてみると、LEDが赤く灯る。あまりに簡単で、やや物足りない。

しかし工夫の余地も残されている。風車のブレード(翼)を、自分の好きなようにカットできる。そしてブレードだけは後で追加注文ができる。もともとのブレードは大きめの長方形だが、細めの三角形にシェイプアップすれば、風を受ける面積は少なくなるけれど、回転時の空気抵抗は減り、回転速度はあがる。ただし、そのぶん強い風が吹かないと回転し始めない。どこで折り合いをつけるかを試行錯誤してみよう。

さて、できあがった風車は高くて人目のつきやすい場所に設置しよう。高い場所の方が強い風が吹く。人目につけば、クリーンエネルギーをアピールすることになる。

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2007年7月17日 (火)

熱と空気と時間をデザインする

静岡県の浜名湖畔にある「地球のたまご」という施設を見学させていただいた。OMソーラーというパッシブソーラーシステムを進める団体の社屋で、研究開発や情報発信の拠点として3年前に建てられた建物である。

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太陽電池等の機械的機構によって電力など得るのがアクティブソーラー。いっぽう建物の構造そのものよって太陽エネルギーの有効利用をはかるのがパッシブソーラーである。冬場であれば、日中は太陽の熱を床下の蓄熱コンクリートに蓄熱し、夜間に放熱させることで部屋を暖かくする。夏場であれば、夜間の放射冷却を利用して、少しでも気温の下がった温度を室内に取り入れる。あるいは地中のクールチューブによって涼しい空気を取り入れる。パッシブソーラーには多様の方法がある。

OMソーラーシステムの基本的な考え方のひとつが「熱と空気と時間をデザインする」ことだそうだ。自然の熱、空気の流れ、それらの時間による変動をうまくデザインすれば、快適な室内環境を実現でき、なおかつ電力などのエネルギー消費を小さくすることができる。日本の場合、全国平均でみると、家庭でのエネルギー消費のうち約6割が冷房、暖房、給湯といった低温熱需要で占められている。低温熱需要はせいぜい20~40℃の温度帯であるから、電力や化石燃料などの密度の高いエネルギーを使うことなく、太陽からの熱を合理的に使えば事足りる。とても合理的な発想である。

ちょうど雨が止んで、太陽が顔を出した、とても蒸し暑い日に「地球のたまご」を訪問した。しかし建物のなかは快適だった。太陽からのエネルギー利用というと、とかく太陽光発電に目が向かいがちだが、パッシブソーラーシステムの可能性はとても大きいと思う。なお「地球のたまご」の敷地は約1万坪で、パッシブソーラーシステムの他に、水生植物による水質浄化、バイオマストイレ、敷地内に森をつくる「どんぐりプロジェクト」など、多くの見所がある。

「地球のたまご」というネーミングには、新たなスタイルを孵化させたいという含意があるのだろう。パッシブソーラーという建物のスタイル。そして自然に寄り添って暮らすライフスタイル。

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2007年7月10日 (火)

伸び悩むグリーン電力

8_2東京電力にはグリーン電力基金という制度がある。再生可能エネルギー普及への貢献を希望する顧客が、電気料金とともに1口500円の寄付をする。すると東京電力が顧客からの寄付金と同額を併せて拠出し、自然エネルギー発電設備の設置者に対して助成する。電力消費者と電気事業者が一緒になって、自然エネルギーを普及しようという仕組みである。太陽光発電システムは決して安くない。しかし1コインなら参加できる。参入障壁を低くし、グリーン電力の間口を広げるための制度である。

このグリーン電力基金は会計年度が4月~翌年3月で、事業報告書は毎年この時期に送られてくる。つい先日、平成18年度の報告書が送られてきた。それによると平成18年度末の参加口数は19,535口である。これは東京電力のサービスエリア内の電灯口数の約0.1%である。参加口数の半分ほどは東京電力の関係者で占められているらしいから、一般家庭での参加率は0.05%となる。

この制度がスタートしたのは2000年10月で、直後の3年でいっきに約2万件の加入があった。ところが2004年に21,000件を超えたところでピークを打ち、以降は継続的な減少傾向を示している。東京電力のピーアールが不足しているのか、制度そのものが悪かったのか。それとも消費者の方の意識が高くないのか。

海外に目を向けると、再生可能エネルギーの導入量は大きく伸びている。いっぽう日本は停滞傾向にあるようだ。日本でも伸びてはいるが、伸び率は明らかに小さい。例えば日本国内でも風力発電に注目が集まっているけれども、日本では数年前から風車の新規着工件数が減少し始めた。太陽光発電にしても、長く設備容量が世界トップの座にあったが、2005年にドイツに追い越され、2006年度末にはドイツは日本の約2倍となった。彼の国には再生可能エネルギーを強力に推進する政策的枠組みがある。しかし、この国には……。

こんな状況では「美しい星50」の日本バージョンはとても実現できそうにないと思う。しかし次の参議院選挙でも、どうやら環境問題に大きな争点にはならないようだ。誰に投票したらよいものやら。毎度のことながら悩みますなぁ。

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2007年6月16日 (土)

初めての現金分配

5年前に、子供名義で市民風車に出資した。市民が資金を持ち寄って、市民風力発電所を建設する。そして発電した電気を電力会社に売電し、利益を出資に応じて配分しようという取り組みである。北欧やドイツなどでは、風力発電のために建設される風車の過半は市民がつくる市民風車であるが、優遇制度の相違もあって、日本で市民風車をつくる事例は限られている。僕が出資した市民風車も、たしか日本で2例目だったと思う。

22_2関係者の方には申し訳ない表現になるけれども、ほとんど期待していなかった。市民風車が計画通りに稼動できなくて、利益が配分されても構わない。出資金が戻ってこなくても、それを受け入れよう。再生可能なエネルギーが少しでも広がってくれれば十分である。だから、そんなに多くの出資はしなかった。経済的な余裕が少ない、というのも現実だし。

ところが「現金配分のお知らせ」が送られてきた。出資者の思惑とは裏腹に、ちゃんと利益が配分され、6月下旬に銀行口座に入金されるそうだ。配分される金額から利率を計算してみると、年利が1%を少し超えた水準となる。このところの低金利で、銀行の定期預金の金利は1%を割っているから、市民風車は銀行よりずっと頼りになる。おまけに二酸化炭素の排出量の削減に役立ってくれている。

新たな市民風車の出資が募集されたなら、今度はもう少し出資口数を増やしてみようと思う。

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2006年11月18日 (土)

毎晩、自家発電

僕はテレビをほとんど見ない。もっぱらラジオである。それも手回し発電のラジオ。毎晩レバーをぐるぐる回して自家発電。バッテリーの電気残量が少なくなり、ラジオの音が小さくなってくると、そこで再びレバーを回す。とくにお勧めの番組はTBSラジオの日曜夜9時の「サイエンス・サイトーク」。いろんな分野の科学者がわかりやすく、そして身近な話題に引き寄せて科学を語ってくれる。

つい最近発売された『ラジオは脳にきく』という本(奥付では2006年11月23日発行となっている)。著者は脳神経外科医。すべての番組がそうではないけれど、テレビはただ受動的に情報を受け取るだけだから脳機能を低下させるという。いっぽうラジオは脳を、とくに前頭連合野を鍛えてくれる。音を聞いて、その音を頼りに想像力を使ってメージを組み立ててゆく。ラジオを聞きながら、何か他のことをする。注意を分割することになるから集中力の強化にも結びつくという。ニュース、トーク番組、スポーツ中継、音楽番組などが、とくに脳にきくそうだ。

テレビを見なくなったのは5年ほど前からである。はたして、この5年間で僕の脳機能は高まっただろうか。あるいは機能低下を防ぐことはできたのだろう。この『ラジオは脳にきく』を買って、改めてわかったことは自分の脳の特性。あまり中身を吟味せずに、すぐに決断してしまうこと。『ラジオは脳にきく』というタイトルだから、そのことについて本全体で詳しく書いてあると思って、本を買うことにした。ところがラジオに関する内容は25ページほど。まんまとタイトルにはめられた。

前頭連合野は、いろいろな情報を統合的に処理し、知的活動を司る部分である。どうも統合処理が不十分らしい。ラジオが聞き足りないのだろうか。

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