かんたん緑地づくり

自宅近所の大通り。歩道はかなり広くて、街路樹もしっかり植えられている。歩道を端っこに切れ込みを入れ、街路樹を入れるポット部分を確保する。そして根元をほん少し残して、グレーチング状の金属のカバーをかける。おそらく雑草が生えるのを防ぎ、また根が踏まれないようにし、なおかつ歩行の障害にならないようにするためなのだろう。たしかにスッキリしているけれど、味気ない。 77

 

 

 

 

 

ガソリンスタンドの前。街路樹の根元に手が加えられている。まずはオイルの空き缶。洗浄して、底に穴を開ければ、プランターになる。植物を植えることができる。街路樹の根元にレンガを並べ、土を盛れば、小さな花壇になる。普通に考えると、ガソリンスタンドの仕事は植物とはあまり関係がない。しかし、このガソリンスタンドならではの花の扱い方はできる。少しでも道路が美しければ、ドライバーにとっても快適である。周辺住民にとっても、それは好ましいことである。

ほんの小さな心づかい。つながってゆくことで、住みよい街がつくられてゆく。

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実りガーデニング

Dsc02864東京駅前の丸の内、仲通り。ランチタイムはクルマが通行禁止で、歩行者の専用空間になる。歩道は広く、ところどころにベンチが置かれている。歩きやすく、くつろげるよう配慮がなされている。この仲通りで、先週末からガーデンニングのイベントが開催され、歩道のあちこちに仮設花壇が設けられ、趣向を凝らした庭がつくられている。「実り」をテーマとした庭造りだという。果実や野菜をあしらった花壇が並んでいる。

コンテストとして開催されており、そのために個性的な花壇が多い。イネを植えた棚田風の花壇もあれば、書斎を連想させる花壇、山小屋のような花壇もあるし、都市廃墟に苔むすイメージのものある。野菜やハーブなどで大半を覆われる花壇もあれば、アクセントとして果実などを配置する花壇もある。花壇というと、ほとんどの場合は、花や観葉植物が中心であるから、実りをテーマとした花壇は珍しく、多くの人目を引いているようだ。

そこで思ったこと。

この実りガーデンニングは、仮設花壇として展示されているが、いっそのこと常設にしたらどうだろうか。例えばニラのような野菜は、ほとんど手間かからず、白い花は儚げで、可憐である。ラベンダーなどのハーブも管理は、とても楽である。街路樹には、皮が厚くて、酸味のきついオレンジをつくる。酸味がきついと生食できないので、立ち食いされることはない。ジャムすれば食用可能になる。

Dsc02870すべてを見たわけではないが、スイスチャード(アカザ科)をつかっている花壇はほとんどなかった。スイスチャードは、春先からは晩秋まで長く栽培でき、赤やピンク、黄色や薄緑など、とても鮮やかな色彩である。それなりに大きく育てることもできるので、見映えもいい。実りガーデンの中心プレーヤーになれる植物だと思う。ちょうど昨日、収穫した。

実りガーデニングが成長分野になってゆくことを期待したい。

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セミプロの時代は来るか

東京では1年に何度か、林業の担い手に対する就業相談会が、公開イベントと抱き合わせる形で行われている。ちょうど赤坂の集客施設で開かれていて、近くを通りかかったので、のぞいてきた。人影まばらな就業相談会はともかくとして、イベントの方には人は集まっていた。イベントは就業希望者を集めるというより、まず日本の林業に対する関心を集めよういうものである。

Dsc02717日本は国土の3分の2が森林で覆われているが、農業と同じように、林業も長く停滞傾向にある。国内の山に木があるにもかかわらず、じゅうぶんに活用されてはおらず、日本の木材自給率は約20%である。林業従事者も減り続け、このままだと日本の木は利用されず、山はさらに荒れてゆく恐れがある。だから担い手を確保することが重要になる。

学生時代から山に入って、森の仕事の手伝いをしたいたし、十年ほど前までは森林関係のボランティアもしていた。しかし、しばらくは有機農業を学ぼうと、森の仕事からは離れていた。そして最近になって、農業の方は下手クソながら見通しがついてきたので、活動領域を再び森の仕事の方へシフトさせようと思っている。そんなこともあって、森の仕事ガイダンスに出かけてみた。

農業にしても、林業にしても、就業相談会という催しに行ってみて、いつも感じることがある。当然のことであるが、就業者候補の確保に大きな重点が置かれている。そして農業や林業に就業を希望しない人には、「どうぞ体験してください」「ボランティアとして関わってください」などと推奨されるのである。「1 or 0」のデジタル的な思考であり、その中間領域がないのである。

僕はプロの農家や林業従事者にはなろうとは思っていない。かといって、まったくの素人でいることにも満足できない。セミプロに届かなくても、そこそこの仕事をできるようになりたいと思っている。たとえスピードが遅くても、とりあえずは1人で仕事ができるようになりたい。中途半端だと言われると、そうなのだが、いろんな仕事ができるようになりたい。しかし、そう考える者にとっての、入口が少ないのである。

日本は人口減少期に入っている。農業でも林業でも、その他の分野でも人手は不足してゆくはずである。すべての分野においてプロを確保するということは、非常に難しいはずである。だとしたらセミプロの道を開くべきではないだろうか。

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ほっとする緑道

9月になったけれども、相変わらず暑い。街中を出歩くと、最初のうちはジワジワと、そのうちダラリと汗が流れてくる。だから建物の影を求ながら歩いてゆく。しかし正午前後の時間帯は、直射日光が高い角度で注いでくるから、影が少なくなる。真昼の外出を避ければ良いのかもしれないが、そう言ってばかりはいられない。

Dsc02706なので、樹木が連なっている緑道があると、ほっとする。たくさんの葉っぱが影の落とし、いくらか涼しい道をつくってくれている。断続的に配置される街路樹と違い、緑道は、まさに緑に覆われた道である。

写真は、東京江東区の大島緑道。その昔は都電の線路が敷かれていた。1972年に都電は廃止され、公園となり、樹木は市民団体によって管理されているという。真っ直ぐであるけれど、ほのかな柔らかさがある直線は、往時の都電の名残りが感じられる。

一般に緑道は、大きな公園の周辺に多いけれども、たくさんの人が出歩く街中につくってこそ、大きな効果が得られるのではないだろうか。

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緑化から里山化へのトレンド

大阪駅の北側に連結超高層ビル、梅田スカイビルができたのは15年前である。40階建ての2棟の高層ビルがあり、その最上部にはビルの間に橋を渡すように屋上がつくられ、空中庭園展望台となっている。展望台からは大阪市内だけではなく、奈良の生駒山、神戸の六甲山、瀬戸内海など、360度のパノラマを眺めることができる。梅田スカイビルは、建物もユニークだが、ビルの足元のオープンスペースも特徴的である。

オープンスペースをただ緑化するのでなく、自然に近い状態を再現しようと試みられている。ビルの南側には「中自然の森」という区画があって、約50種類、2100本も樹木が植えられている。森の中には、せせらぎがあって毎年、蛍が放流され、いまでは、このなかで育った蛍もいるそうだ。いっぽうビルの北側は8000㎡の「花野」が確保されている。

Dsc02673ビルが竣工した当初、この「花野」は自然の野草が植えられ、いわば原っぱだった。ところが2年前に「花野」は「新・里山」となった。久しぶりに大阪に行ったので、「新・里山」に足を伸ばしてみた。新梅田シティに出かけるのは約4年ぶりのことである。たしかに風景は大きく変わっていた。

高層ビルの足元の3畝ほどの水田がある。水田の周りには畑があって、ナスやトマト、オクラ、ショウガなど、いろいろな野菜が植えられている。それらを取り囲むように雑木林がつくられている。そして、当初からの野草園も一部残されている。都会のなかに、小さいながらも里山の風景が再現されている。

他の生物たちの生息空間を守るためには、極力、自然に手をつけない方がいい。つまり、できるだけ自然の森を残す方がいい。しかし人間が生きてゆくためには、やはり自然を改変せざるをえない。そこで里山として、土地を持続的に利用できるようにする。多種多様な植物を配置し、生物多様性を確保しながらも、そこから農産物や薪、落ち葉(堆肥材料)などを入手する。自然と人間の生活の折り合いをつける。

ひと昔前までは、都市部の緑化といえば、緑の葉を落とさない常緑樹が植えられることが多く、まさに緑化だった。しかし近頃では、より自然の状態が志向され、落葉樹が植えられることも多くなった。そして、この先は、人間の生活とより深く結びついた緑の空間が増えてゆくのではないだろうか。緑化ではなく、里山化というトレンドが出てくるような気がする。

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多様化する建物の緑化

このところ建物の屋上や壁面を緑化するケースが増えている。自治体によっては、建造物の建坪面積が一定規模を超えると、屋上緑化などが義務付けらるし、個人の小さな住宅に対して助成金を出すこともある。企業や商業施設のイメージづくりの一環として、建物を緑で覆うこともある。

国土交通省の調査によると、日本全国の屋上緑化の施工面積の累計は、2001年の280千㎡から、2006年には1,600千㎡と、5.7倍にまで増加している。いっぽう壁面緑化については、同期間で4.5千㎡から101千㎡と約22倍の伸びとなっている。言うまでもなく、屋上緑化や壁面緑化が多く行われるのは都会であり、都道府県別では東京都がもっとも多い。日本の建物緑化の全面積のうち、東京都が占める割合は、屋上緑化で35%、壁面緑化で41%となっている。東京近辺に住む者にとっては、壁面緑化が急激に増えていることを実感できるはず(なお国土交通省の調査は、工事実績を調べたものであり、個人ベースでの緑化は含まれていない)。

Dsc02624何事もそうであるが、量が増えてゆくと、多くのバリエーションも生まれてくる。壁面緑化についても、ただ植物を配置するのではなく、個性的にデザインしようという動きも出てくる。例えば、昨年、東京の表参道にオープンした商業施設GYREのエントランスには、屋内に壁面緑化が施されている。高級ブティックなどが入居する商業施設であるだけに、とても豪華である。色とりどりの植物が入り乱れ、抽象画のようなアーティステッィクな雰囲気がある。

Dsc02523いっぽう上野駅に近い台東区役所の西側壁面。行政らしく、規則正しい配列のデザインである。星型の区のシンボルマークが描かれ、「TAITO」という文字も書かれている。個性的なデザインかもしれないが、洗練されたデザインであるとは思えない。なお、この緑化面には、説明プレートも設置されていて、「1㎡が52000円から」と表示されていた。決して安くはない。類推すると、表参道の商業施設内の壁面緑化は非常に値が張るはずである(壁に根が張っている)。個性的なデザインは、高価格化に結びつく。

Dsc02622職場の近所の喫茶店。アジサイとツタを主体とした緑化で、建物全体が植物に包み込まれようとしている。こうなると、屋上緑化や壁面緑化のレベルを超えて、建物の山化とさえ言える。こちらの方は、おそらく緑化工事などはせずに、最初に苗を植えただけだろう。小さな金額からでも、壁面緑化は可能である。

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木造ビル

Dsc02392京都のオフィス街、烏丸通りに面して、9階建ての真新しいビルが建っていた。つい最近に竣工したのだろう。まだテナントは1軒も入っていない。しかし、とても特徴的なビルである。外装のほとんどが木である。きっと日本初だと思う。

機能性という点では、ビルの外壁に木を利用する意味はあまりないと思う。コンクリートなどに比べて手間がかかり、建設費用が高くつくだろう。メンテナンスコストだって高くなる。

しかし木を使うことは森を生かすことになる。山に健全な森があるからこそ、水源が維持され、光合成を通じて多くの酸素が供給される。だから、どんな形であれ、木を使うことには、それなりの意味がある。

京都は都心部であっても、大通りから小さな横丁に入ると、昔ながらの町屋が残っている。もちろん町屋は木造である。そして木は自然素材であるから時間とともに退色してゆく。すべてがそうではないか、味わいが出てくる。真新しい木の空間にはフレッシュな躍動感があるけれど、一定期間を経た木からは温かみが伝わってくる。

考えてみると、神社仏閣など、京都には木造の大規模建築物は多い。中小のビルより、ずっと大きな木造建造物も少なくない。おそらく木造ビルを生み出す素地が、京都にあったのだろう。

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スギの屋上緑化

およそ十年前から、大きな都市部ではヒートアイランド現象を緩和するために屋上緑化が推奨されてきた。だから、もはや屋上緑化は珍しいものでなくなってきた。しかし今日は、珍しい屋上緑化に目にして、とても驚いた。小さな雑居ビルの屋上にスギが植えられていたのである。

Dsc02217屋上で植物を育てるには土が必要で、土は重いから、建物にはそれなりの強度を確保することが必要となる。建物の強度を高めようとすると、当然のことながらコストがかかる。おのずと屋上に乗せられる土の量は限られるし、そこで生育可能な植物も限られてくる。だから通常は、屋上緑化といえば、芝生や花壇であったり、低木であったり、あるいは畑であったりする。

ところが、この小さな雑居ビルの屋上には、スギが植えられている。およそ20年生のスギだろうか。大木とまではいかなくても、それなりの樹高があり、幹もそこそこ太い。スギは1本だけではないし、ツバキなどの樹木も植えられている。これだけの樹木が屋上で育つには、相当な量の土が屋上にあるはずである。ちなみにスギはちゃんと枝打ちも行われている。

ただし、人ごとながら心配になったりもする。大型台風がやってきて、スギは折れたりしないのだろうか。落ちてきたら、とても危険である。また遠い将来には伐採するとしたら、クレーンを使うのだろうか。かなり高くつく国産材となる。しかし面白い。ビルの屋上で育ったスギは、持続可能な木材として認証されるのだろうか。

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ひっそりと茶の木の白い花

前日のブログと似たような話題。都市の屋上緑化について。

11茶の木の花は、11月から12月にかけての初冬に開花する。葉のつけ根のすぐ上の部分に、白色五弁の花をぽつりぽつりと、ややうつむき加減で咲かす。桜のような華やかさ、梅のような凛とした気高さはなく、ただひっそりと咲く。けれども黄色い蘂(シベ)は鮮やかで、花に近づくとは芳香が漂ってくる。

京都に出かけたので、京都駅ビルの屋上庭園に立ち寄ってみた。京都らしさをテーマに屋上が緑化されており、竹や茶の木が植えられている。茶の木は立体的に、壁面緑化として配置されている。屋上庭園は、地上12階に相当する高さで、京都市街や比叡山をはじめとする東山の山並みの見渡すことができる。だから、たいていの人は屋上に植えられた植物よりも、むしろ屋上からのパノラマに関心を奪われる。ひっそりと咲く茶の木は、あまり見向きもされない。

Dsc04830お茶は日本の食卓に欠かすことのできない飲み物である。しかし茶の木の花のことを知らない人は多いと思う。かくいう僕だって、日本海に面した片田舎に育ったこともあり、茶の木の花を初めて目にしたのは二十歳間近になってからである。しかし日本人でありながら、茶の木の花を知らないというのも、何だか妙である。そう思うと、お茶の木による屋上緑化は、日本文化への理解を深めるという点で、少なからぬ意味がある。

この頃は、大きな建物の屋上を緑化するケースが増えてきた。これからは単に緑を配置するだけではなく、京都駅ビルのように何らかのテーマをもった緑化が増えていくだろう。

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シティカルティベーション

スウェーデン生まれのストリームガーデン。今年になってから、日本でも売り出されている。宇宙ステーションや寒さ厳しい環境で植物を育てるための水耕栽培技術を利用した、個人用ガーデンのキットである。日当たりの良い室内で、草花やハーブ、野菜を育てることができるそうだ。上下二段のキットの下段には、水中ポンプが付いていて、水を適切に環流させ、栄養分や酸素が植物に効率よく提供されるという。電気を使うのは多少気になるけれども、スウェーデンの場合は、木質バイオマスや風力など再生可能エネルギーを積極的に拡大しているから問題ないとも言えるのだろう。

Dsc045926年前の1月にスウェーデンを訪れたことがある。たまたま観測史上で最低気温を記録した日があった。テレビやラジオでは電力消費を抑制するように呼びかけられていた(主に暖房は、燃料を燃焼させて行うのだが、その制御に電気が必要)。雪に彩られた風景は美しかったけれども、本当に寒かったのを覚えている。もちろん針葉樹などの緑はあるわけだが、若くて柔らかい緑を目にすることはなかった。冬が長いスウェーデンで、わずかな電力で、そして室内の気温でもって、身近で緑を育てることができれば、それはそれで良いことだと思う。

このストリームガーデンは、GREEN FORTUNEという男性2人組のデザインユニットによって開発された。彼らは、都市にもっと緑を増やそうというコンセプトで、この他にもプラントウォールというプロダクトも開発している。こちらは屋内の垂直面を緑化するものである。ストリームガーデンにしても、プラントウォールにしても室内で緑を育てるものである。スウェーデンの気候風土のなかで開発されたデザインと言えるだろう。

今日の東京は暖かかった。最高気温は、平年を4℃も上回る21.1℃。冬の到来は遅れ、どんどん短くなってゆく。スウェーデンと違って、日本の場合は、屋外で緑を増やしてゆくべきなのだろう。

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