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2008年12月26日 (金)

『世界一あたたかい人生相談』

ビッグイシューという雑誌がある。ホームレスの人たちを支援するために発行されている雑誌で、彼らが街頭で販売すると、売上金額の半分ほどが彼らの収入になる。東京や大阪などの大都会で、ビッグイシューを高々と掲げ、道行く人に販売を呼びかける姿を目にしたことのある人は少なくないだろう。

88つい先日、ビッグイシューから初めての単行本が発行された。タイトルは『世界一あたたかい人生相談』。これまで雑誌・ビッグイシューで連載されてきた「ホームレスによる人生相談」に、新たな相談を加えたものである。読者から寄せられた相談に、ホームレスが回答する。いわゆる勝ち組ではなく、大きな挫折を味わい、弱さを十分に自覚できているからこそ、悩める人々に共感できる。ホームレスの人々からの回答は達観しているし、あたたかさがある。

答というより、むしろ聞いているという態度であるかもしれない。俺たちも、それなりに頑張って生きている。そこそこ誠実に生き、働いてゆけば、それなりに、いいことがあるだろう。簡単に命を奪われることなど、ないのだろうから・・・。

この本には、約50件の人生相談とセットになった「悩みに効く料理」のレシピが掲載されている。例えば「訛りが恥ずかしい」という悩みに対応しているのは、「なまりぶしの冷や汁」で、「なまりはおいしい個性です」と解説されていたりする。いずれのレシピも非常にシンプルで、なかには「塩むすび&お味噌汁」「カップ麺またはラーメン屋さんのラーメン」というレシピさえある。

レシピがシンプルな料理は、簡単なようで、意外と難しかったりする。その人にとって、本当に美味しい塩むすびは、素材や調理法が重要であると同時に、塩むすびをつくる人の手の暖かさと大きな関係があるかもしれない。100円余りのカップ麺だからこそ、一緒に食べると、虚飾なくコミュニケーションが行えることになる。状況によっては御馳走になる。食事そのものよりも、食事を介した会話こそが最大の御馳走だという考え方もある。

あまり真剣に考え込まない。ほんのわずか目線をそらすと、別のものが見えてくるかもしれない。人生相談とレシピの組み合わせには、そのような意味合いが感じられる。

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