環境モデル都市選出
今春、日本政府は全国の市区町村を対象に「環境モデル都市」の募集を行った。低炭素社会に向けて、世界の先例となる都市モデルをつくり、そこで得られたノウハウ知見を社会に広く普及させることが狙いである。全国から82件の応募があり、7月22日に6自治体が選定されたことが公表された。選定基準は、1)大幅なガス排出削減目標、2)先駆性・モデル性、3)地域適応性、4)実現可能性、5)持続性、の5点だそうだ。当初予定では、10都市が選ばれることになっていたが、現時点では選出されたのは6自治体で、以下のような特徴がある。
北海道帯広市:牛糞の代替燃料として活用
北海道下川町:町面積の9割を占める森林資源の有効活用
横浜市:省エネ製品購入を促す「環境ポイント制度」の導入
富山市:LRTなどを生かしたコンパクトな都市づくり
北九州市:工場廃熱などの活用によるゼロエミッション街区づくり
水俣市:水俣病の経験を生かした環境教育や省エネ
また正式選定には至っていないが、以下の7都市も「環境モデル候補都市」とされている。これらの候補都市は、計画を再度精査し、年度内に基準を満たせばモデル都市に格上げされるそうだ。
東京都千代田区:オフィス街単位でのエネルギーマネジメントシステム
京都市:歩いて楽しい街づくり
大阪府堺市:積極的な太陽光発電システムの設置助成
長野県飯田市:市民の出資による太陽光発電事業の推進
愛知県豊田市:ITS(高度道路交通情報システム)の推進
高知県檮原町:森林整備による温室効果ガス吸収
沖縄県宮古市:サトウキビを使ったバイオエタノール生産
モデル都市とモデル都市候補を合わせて13自治体。このうち1カ所は少年期まで過ごした場所(富山市)であり、10カ所は訪れたことがある。足を踏み入れたことのない残り2カ所についても、いずれ行ってみたい。
えてして、身近なものについては、人はあまり高く評価しない傾向がある。だから、慣れ親しんだ富山市が環境モデル都市に選定されたと耳にしても、あまりピンとこない。「へえー、そうなのか」という印象である。たしかに最近では、最新式のLRTを導入するなど、検討しているようだ。ゆかりのある街だから、頑張ってほしいと思う。
環境モデル都市の1つに選ばれた水俣市。水俣市というと、とかく水俣病が連想され、好ましいイメージを持つ人が少ないのではないだろう。かつては僕もそうだった。しかし実際に水俣市を訪れてみて、大きな見当違いであることを知らされた。川の水も、海の水も本当に美しい。日本の農村風景も残っていて、緑の山々も美しい。いったんは水俣病によって深刻な影響を受けたものの、深刻さゆえに自然と真摯に向き合うこととなり、その結果、美しい水や風景が再生されたのである(水という点では、富山市より、断然、きれいだと思う)。水俣市は、温暖化防止や低炭素社会などというよりも、人間の生き様や物語性が感じられる街である。
富山市はともかく、水俣市には、できるだけ多くの人に訪れてほしいと思っている。ほんと、ヒネクレ者である。
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