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2007年10月 2日 (火)

竹の神殿

大阪市と京都市の中間に位置する大阪府高槻市。高度経済成長時代に宅地開発の進んだベッドタウンである。市の北部は山、すなわち森林地帯であるけれども、街なかの緑地は限られている。まとまった緑がある場所は公園や神社、お寺などである。そのひとつが上宮天満宮で、JR高槻駅から徒歩5分。繁華街から至近の位置に豊かな緑に被われた空間がある。

上宮天満宮の敷地は約4ヘクタール。そのうち2ヘクタールがモウソウチクの竹林である。
他の都市近郊に見られるように、従前は上宮天満宮の竹林も管理の行き届かず、モウソウチクが密生し、太陽の光が差し込まない暗い竹藪と化していた。そこで今から10年ほど前から再整備計画が進められてきた。

竹を切って利用する。竹炭、竹灯り、竹板の絵馬、土留めや垣根、あるいは膨潤処理を施しての肥料としての利用。試行錯誤が繰り返された。竹はいろいろな用途で活用できる。しかし何と言っても、まとまった量として利用が期待できるのは、木材として利用して建造物や家具などをつくることである。そこで竹で寝殿をつくることが計画されることとなった。いまから5年前のことである。

Dsc04314竹は軽くて、強度があるが、扱いにくさもある。含有当分が多く、虫害を受けやすい。スギなどの角材と違って、寸法を標準化しにくい。建築基準法でも竹を構造材として使うことは認めていない。そこで竹を材料として四角い集成材をつくる。主要な構造材にはヒノキを使い、その他の壁や床については竹の集成材を使う。屋根は半分に割った竹を乾留し、じゅうぶんな耐久性を持たせる。本当は国内のモウソウチクで、しかも敷地内のモウソウチクを用いたかったが、すでに日本の生産技術のほとんどが中国に移転し、またコスト面でも大きな差があったため、やむなく中国産の竹を使うことになった。

さて竣工から5年経った竹の神殿を訪れてみた。わずかな退色は見られるけれども、構造自体はとてもしっかりしている。日本の竹を使うことは叶わなかったけれども、建材としての竹の可能性はじゅうぶんに検証することができたといえるだろう。竹は成長が非常に早く、5年で成竹となる。とてもポテンシャルの大きなバイオマスである。

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